人類最強が見つけたクソガキ【進撃の巨人/リヴァイ】
第6章 卒団、そして入団
「兵長からはね、入団の挨拶に来いとでも言っておけって言われてるわ」
尚もクスクス笑いながら可笑しそうに話すペトラさん。
「兵長が新兵を名指しで執務室に呼び出すなんて、少なくとも私がリヴァイ班に来てからは初めての事よ。
アーニャあなた一体何者なの?」
「え?いやえっと…」
何者なのかと聞かれても、訓練兵時代に自主練をみてもらった事があると言っても良いのだろうか?
でも他の新兵との違いなんてそのくらいしか思い浮かばない。
「ペトラさん、この子は兵士長の【お気に入り】なんです。」
「リリア!?」
何を言い出すんだ!
「お気に入り?」
「はい、かなり気に入っていて手に入れようと思っているから入団したら覚悟しておくように、と言われているそうです。」
「な、なにそれ……」
ほらー!ペトラさん固まってるじゃん!!なんでそんな事言ってしまうんだ!兵長の真意も分からないのに!
まして私と初対面のペトラさんだ、万が一、万が一私の事がリリアと同じような普通の女性兵士に見えていた場合、兵長が私に気があると誤解されてしまうかもしれない。
そして訓練兵団に特別講師として兵長が来た時もあの人気だったのだ、ここでもリヴァイ兵長は人気があるに決まっているし、ペトラさんはリヴァイ班だと言っていた。もしリヴァイ兵長に恋愛感情を抱いていたりしたら…
「あ、あの!ペトラさん私は「なにそれ~!さっすが兵長ー!!」え?」
私は男として生きてきて今でも男みたいなモンなので、と言おうとした私の言葉はペトラさんのめちゃくちゃ楽しそうな声で遮られてしまった。
「だから兵長あんなに楽しそうだったのね!可愛いところあるー!」
「でもね、ペトラさん!うちのアーニャったらド天然すぎて全っ然分かってないんですよ!」
「え、なになに?どういうこと?」
私を放置してリリアとペトラさんの女子トークはこの後の説明会に遅刻する勢いで盛り上がっていた。
なんとか間に合う時間で切り上げさせたのは奇跡と言える。
「じゃぁ私は行くわね、リリアまた色々教えてね!アーニャはそうねぇ…ガンバッテ!ぷぷっ」
あー楽しかったーと帰っていくペトラさんとニコニコ手を振るリリアにため息が出てしまうが調査兵団はもっと殺伐とした感じだと思っていたのでちょっとほっとしてしまった。