人類最強が見つけたクソガキ【進撃の巨人/リヴァイ】
第6章 卒団、そして入団
突然部屋に響いたノック音と自分を呼ぶ声に驚いたがとにかく扉を開ける。
立っていたのは女性兵士で調査兵団のジャケットを着ていることから先輩兵士だと分かった。(私達はまだ支給されていないから)
私と同じブラウンの髪だけど私と違ってサラッとした綺麗なストレートヘアの知的な印象の女性だ。
「私がアーニャ・マクドルです」
「ペトラ・ラルよ。よろしくねアーニャ」
ニコリと笑ったペトラさんは先程の印象よりとても可愛らしく見えて、親しみやすさを感じた。
とにかくどうぞ、とまだ荷ほどきもしていない部屋へ入ってもらうとリリアはきちんと敬礼して挨拶していた。あ、ヤバい私やってない。
ペトラさん気にして無さそうだから平気かな?
「えっと、それで私に何か?」
「リヴァイ兵長からの伝令よ」
リヴァイ兵長!?伝令!?
兵長の名前と伝令という言葉に驚いたのはリリアも同じだったようで二人で顔を見合わせる。
兵士長から入団手続きしたばかりの新兵に伝令なんて何事だろうか?まさか何か任務だろうか…
敬礼し「伺います!」と姿勢をただすと、私の緊張を感じ取ったのか目の前のペトラさんが可笑しそうに笑った。
「ごめんごめん、そんな大袈裟な話じゃないの。
兵長は新兵に伝令だ、と仰ってたけど私はどっちかというとプライベートな伝言を頼まれた様な気がしている位よ」
プライベートな伝言?それはそれで何事だろうか?
ペトラさんはニコニコしたまま敬礼し、わざとらしく咳払いしてから話始めた。
「では、リヴァイ兵士長からアーニャ・マクドルへ伝令です。この後の用事が全て終わったら兵士長の執務室へ行くように」
「ハッ!……え?」
気合いを入れて返事をしたものの、今なんて?
「ふふ、だからね、この後の説明会とか団長への挨拶が終わったらリヴァイ兵長の執務室へ行ってね。場所は冊子を見れば書いてあるはずよ」
「えっと、それは何か手続きや任務のお話でしょうか?」
私が訊ねた途端、プハッとペトラさんが吹き出してそのまま笑いだしてしまった。
片手で口許を隠して「笑ってごめんね」なんて言われたけど笑われるような事を言っただろうか。
「兵長がね、あなたならきっとそう言うだろうって仰ってたからその通りでビックリしちゃって。」
直接会話したのは2回だというのに私の性格は兵士長様にはバレバレらしい。
