人類最強が見つけたクソガキ【進撃の巨人/リヴァイ】
第6章 卒団、そして入団
いきなりハンジ分隊長という衝撃的な調査兵団デビューを果たした私達は受付してくれた兵士から説明された通り向かって左側の建物、兵舎に向かうことになった。
どうやらまず荷物を置いてから兵舎と連絡通路で繋がっている本部へ入り今後の説明を受けるらしい。
兵舎入り口には男女数名の兵士が名簿をもって立っている。
名乗ると部屋の場所を教えてくれて鍵をくれた。
「やったねリリア一緒の部屋だ」
「ふふ、よろしくねアーニャ」
キースはどうやら別の訓練兵団からくる新兵と相部屋らしく人間関係が面倒じゃない奴だと良いなんて言っている。
「「キース、迷惑かけんなよ(かけるんじゃないわよ)」」
「どういう意味だよ!っておい!」
後ろでギャーギャー文句を言っているキースが先輩兵士にうるさいと怒られているのを笑いながらリリアと部屋へ向かう。
鍵と一緒にもらった冊子には宿舎と本部、訓練施設等の簡単な地図と食事の時間や入浴時間等のルールが書かれていた。
「兵士としての訓練や任務も大変だけど、新しい生活に慣れるのも大変だよね…」
「アーニャは変なところで真面目すぎるのよ、少なくとも宿舎でのルールや施設の場所なんかは徐々に覚えていけるでしょ?」
リリアはそう言うが、頭の出来が違うのだ。
勿論リリアだってたゆまぬ努力の結果今の医術や兵法学を身に付けているのだが、要領の良さというか、何かを覚える才能はめちゃくちゃあると思う。
しかも場の空気を読んで判断、行動する事も出来るため訓練兵団でも班長をやっていた。
それに比べて私は学校で学んだ事も無ければ特に秀でた才能もない。
地下街での暇潰しが本を読むことだったので読み書きが出来たのがせめてもの救い、訓練兵団では座学がとにかく地獄だった。何度も教官のところに質問に行っては呆れられていた。
集団行動にも慣れていなかったのでかなり苦労した。
それでも努力と根性でどうにか乗り切ってきたのだ。
ここでも早くルールを覚えて訓練や任務の方に集中しなければ!
部屋に着き荷物をおいて、本部にメモとか持っていった方がいいかな!?とリリアに聞けば敬礼の時邪魔になるから置いていけと言われた。なるほど。
本部に提出する書類だけ持って部屋を出ようとしたところで部屋の扉がノックされた。
コンコンッ
「アーニャ・マクドルはいるかしら?」
