人類最強が見つけたクソガキ【進撃の巨人/リヴァイ】
第4章 再会
確かにエルヴィンから見せられた評価表では周りの奴等より遥かに優秀な評価が記されていた。
「憲兵団に入りたくなったか?」
「いえ!自分は調査兵団希望です!」
まぁそうだろうな。こいつがぬるま湯に浸かった憲兵としての生活に憧れて色気付いているとは到底思えない。
では生きていてほしいと願っていた訓練兵の仲間達に幻滅したか?いや、それもこいつにはありえない話だろう。
「じ、実は……」
俺の視線から気まずそうに目をそらしアーニャが苦笑いを浮かべながら自分の能力を偽らなくなった理由を話はじめた。
「1ヶ月ほど前なんですが、その時成績が10位前後だった同期からどうせ調査兵団に行くならもっと順位を落としてくれと頼まれまして…その時私は5位あたりでしたので…順位を落とすことを了承したんです。
それを仲の良い同期達に見られていまして…殴られました。」
いたか、正常な頭の同期が。
アーニャに順位を落とせと言ってきた様な兵士ばかりなら今年の訓練兵は全くもって使い物にならねぇと思っていたがどうやら違ったらしい。
1週間は頬の腫れが退きませんでしたとヘラヘラしているこいつの左頬は微かに打撲痕が残っている。
相当な力で殴られたのだろう。
「その時に今までの私の考えも皆にバレてしまって、バカにするなと怒鳴られました。
死にたくない、巨人なんて見たくもない。確かにそれが正直な気持ちだけど逃げてばかりでは何も得られない事だって分かっていると。
開拓地ではなく、兵士となる道を選び共に訓練を重ねてきた自分達を信じられないのかと、最後は泣きながら怒られました。
それで、眼が覚めたというか、自分の考えを改めることにしました。」
で、思いっきり訓練で実力を出した結果がこれか。
俺が見た立体機動の技術ではそれもまた納得できる。
周りの訓練兵はさぞ驚いただろうがな。
ついでに何で髪型変えたんだとか雰囲気が柔らかく…あぁめんどくせぇな、つまりまぁ、なに可愛くなってやがるクソガキ。
なんて聞ける訳がないのでとりあえず盛大に舌打ちをした。
エルヴィンがこの場に残っていたら笑われていただろうか。
アーニャが実技でぶっちぎりだったと聞いたとき、俺のツラが嬉しそうだと笑っていたエルヴィンに何の事だと返したが俺はどうやら相当こいつを気に入っているらしい。