人類最強が見つけたクソガキ【進撃の巨人/リヴァイ】
第2章 訓練
そのまま2体目、3体目と巨人の討伐をこなしていくアーニャを少し高い位置から追いかける。
オイオイオイ……昼間の訓練でどんだけ手ぇ抜いてやがったクソガキ
後半に進むにつれて疲れは見え始めたものの、今のところ模型巨人の討伐率は100%だ。
いくら模型とはいえ、1人でこの数の討伐が出来るのは調査兵団の中でも数える程の人間しかいないはずだ。
左右から同時に現れる模型巨人まで殆ど止まることなく削いでいくにはガスの消耗がつきものだが、どうやらこいつはガスを無駄に使わなくて済むように遠心力や高所からの落下速度を利用して飛んでいる。
これなら森を突っ切るまでガス欠になる事はないだろう。
結局10体全て充分な深さで削ぎまくったアーニャは呼ぶまでもなく迎えにきたようなタイミングで寄ってきた馬に乗り、森に入った時同様のスピードで駆けて行った。
俺の馬は始めから引き返すポイント近くまで先回りしていた様なのですぐにアーニャを追うことが出来たがコイツがもし兵団の予備馬だったら追い付けなかった可能性もある。
壁外で馬と一時的に別れた際、基本的に馬は危機回避の本能なのか戦闘区画から離れた所で待機する。巨人に直接襲われる事は無くても瓦礫がブッ飛んできたり倒木の可能性もあるからだ。
幹部クラスの愛馬は戦闘が終わると呼ばずとも主人の元へ戻る事が多いが、通常は指笛などで呼び戻す。
新兵の馬は興奮状態やパニックになり戻らない事もある。
だがアーニャの馬はなんだ?討伐の邪魔にならない程度の距離を保って並走してやがった。
更に真っ直ぐ前を見て走っていたにも関わらず耳はアーニャの立体機動の音を拾っていた様だった。
なんだありゃ。主人と愛馬ってより飛び回るクソガキとその保護者か?
「っはぁ、はぁ、ありがとう、ございました」
「あぁ?まだ息切らしてんのかよ」
森から出て馬を降りたあとイマイチ覇気のねぇ敬礼をしながらそれでもなんとか呼吸が落ち着いてきた様子のアーニャをみる限り、全力を出しきった事は良く分かった。
「自主訓練の際は刃を消費しないように言われているのでこんなに1人で討伐したのは始めてで、申し訳ありません、刃が2枚ダメになりました。」
むしろ2枚で済んだのかよ。