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人類最強が見つけたクソガキ【進撃の巨人/リヴァイ】

第2章 訓練





ここに来るまで運動場の乾いた地面や倉庫裏の柔らかい土等、遠回り且つ環境の異なるルートを選んできた。更にスピードにも強弱をつけたがアーニャもその愛馬も慌てることなくついてきた。
俺の馬から一定の距離を保ち乱れることなく聞こえてくる蹄の音や、時たまチラリと振り返った際に見たアーニャの表情が冷静そのものだった事からも基本的な乗馬は問題ない事が分かった。


これから行う馬を連れての立体機動訓練は訓練兵のガキどもには少々難易度が高いらしい。
以前調査兵団にきた新兵に同等の内容で訓練を行った際、余りにヘタクソだったのでボロクソに言ってやったらエルヴィンから訓練兵団でそんな事まで教えていないと宥められた。

俺に言わせればこんな事も出来ない状態で調査兵団に入団させる方がどうかしている。
壁外で愛馬とはぐれ、その後他の隊員の馬や予備馬に乗れなければ間違いなく巨人のエサだ。
だからこそ森の中で見通しが悪かろうが疲れていようが自分の愛馬を素早く呼び戻し、的確な手綱さばきを行う必要がある。

アーニャは俺の指示を聞いた後、すこし緊張した面持ちではあるが一言二言愛馬に語りかけてから森を見据えた。


「では、アーニャ・マクドル参ります!」


小さな深呼吸のあと、アーニャは馬へ合図を送り走りはじめた。
俺も斜め後方から馬で後を追う。


スタートから馬をトップスピードまで引き上げるのはかなり早かった。何年訓練兵団にいる馬かは知らねぇがアーニャの指示を的確に受けて森の木々に臆することなく走っている。
アーニャの体格に合わせた小柄な馬なので俺やエルヴィンの走らせる馬に比べればスピードは劣るが壁外でもこのスピードがすぐに出せるなら調査兵団の中でもかなり早い方だ。


「サニー!行ってくる!先で待ってて!」

アーニャは前方に模型巨人を確認すると馬の背に立ち立体機動で飛ぶための体勢を整えた。

どうでも良いがお前は手綱だけじゃなくてイチイチ馬に話しかけてんのか?
まぁ馬は人をよく見てるからな。それでコミュニケーションが上手くいってんなら構わねぇが。それにしても随分楽しそうに話すもんだな。


模型巨人よりも高い位置に飛び1体目の項目掛けて回転しながら刃を繰り出したアーニャをみた所で俺も立体機動に移る。
1体目の討伐は問題ねぇな。
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