第9章 音楽祭
一、二年生の歌が終わり、昼食へ。
毎年外でみんなで食べるのが当たり前だったのだが、今年は大雨なのでどっかの狭い会議室で食べることになった。
「音楽祭実行委員!いただきますして!」
団長に促され、隣に座って弁当を広げている無一郎と顔を見合わせた。
「僕がやるよ!それじゃ、手を合わせて……いただきます!」
「いただきます!」
合掌をしてすぐさま弁当を開けて食べ始めた。
「美味しー!」
無一郎が笑顔で母が作ってくれた卵焼きを頬張っている。
私と無一郎は急いで食べ終え、ステージセッティングに向かった。
ステージセッティングも終えて、クラスのみんなで集まり、最後の練習を行った。
義勇の指揮もとてもカッコ良くなっている。
私達のクラスはトップバッターなので、とても緊張している。
練習も終えて、三年生全員は幕が下りているステージに学年合唱の隊形に並んだ。
「三年生の学年合唱です。最高学年の合唱を、どうぞ、お聞き下さい」
それは普通に歌うことが出来た。次の私達の合唱が問題である。
「個性豊かで仲良しな三年三組が歌います。どうぞ、お聞き下さい」