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素直になれなくて【IDOLiSH7】

第1章 さよならも言えずに






私は今何処へ向かっているのだろう。




手にあるのは携帯だけ。




お金も行く場所もなく、連絡する相手もいない。




あぁ、私は孤独だ。





沢山のネオンが輝く街の真ん中で傘もささずにポツンと佇む。
あぁ、心も身体も痛い。
それでもあの場所に居るよりはマシなんだ。
長く一緒に居過ぎた、彼の住む家。




好き、だった。
一緒に居れる時間が幸せだった。
忙しい彼だけど、ご飯作って待っていて、一緒に食べて、その後身体を重ねて…。



自分は求められていると、必要な存在だと、恋人なのだと…そう勘違いしていたんだ。




「愛音…僕とお前はそんな関係じゃない。
今もそしてこれからも変わる事はない」





あはは…キツいなぁ…。





桜庭 愛音 23歳
ただ今から家出まっしぐらです。




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