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藤ヶ谷パパの娘は人気アイドル!−Season2−

第21章 ☆Bad END☆ エピローグ ー主人公編ー


「違います。
今の私は、宙さんや憲吾の知る藤ヶ谷ゆりじゃありません。
私は、東郷ゆりとして響さんと生きる道を選びました。」

『っ……そんなこと、なんでわざわざオレに言うの?』

「……明日、響さんと憲吾が会うんです。
それで、最近の憲吾は練習も儘ならないみたいで
私を取り戻そうとしてるんです。」

『……死んでることになってるのに?』

「憲吾は、私が死んでるだなんて思ってなかったんです。
前に憲吾と鉢合わせたことがあって……多分そこから、
練習もまともにできてないんですよ、
せっかく大学の推薦も決まってるのに……」

『……その感じだと、オレに何か頼み事したい感じだね。
……ってか、じゃないと連絡してこないよね……』

「っごめんなさい宙さん……宙さんとも、
ちゃんと話す機会があればいいんですけど……」

『兄貴にバレたら色々まずいからねぇ、
一応前までのオレは知らないことになってるだろうし……それで?
ゆりちゃんはオレに何を望んでるの?』

「……。」


ゆりはふと窓の景色に目を向けると宙の問いに応えた。


「憲吾には、
これ以上こっちの世界には足を踏み入れて欲しくないんです。
私はもう、元の世界には帰れません。けど憲吾は違います。
憲吾にはちゃんと夢に向かって頑張って欲しいんです。
私のことはどうでもいいから……」

『……。』

「私が、憲吾を選ぶってことはもうありません。
憲吾がどんなに私を連れ戻そうとしても……正直、
明日は何事もなく終わるなんてこと……ないような気がして……」

『……ま、三船くんもゆりちゃんのこと相当好きだろうからね。
兄貴への恨みも深いと思うし一筋縄じゃいかないねぇ……んで?
オレに三船くんをどうしろって言うの?』

「……警察に、通報か何かできませんか?
できるなら警察庁の桜井警視総監あたりに言えるのがいいんですけど……」

『……ええぇ!?
ちょっ、ちょちょっ!それオレやんの!?』


電話越しからは宙の戸惑う声が聞こえてきた。


「……憲吾を、保護してもらいたいんですよ。
もし憲吾を今のまま放っておけば、
裏世界に足を踏み入れて昔の憲吾に戻ってしまうかもしれない……
そんなこと、あっちゃ駄目なんです。
だから……手遅れになる前に手を打ちたくて……」

『っ……』
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