第21章 ☆Bad END☆ エピローグ ー主人公編ー
「では、解毒剤はこちらでお飲みください。
万が一のこともありますからね……」
「はい、お願いします。」
悟は薬品棚から解毒剤と思われる錠剤が入った瓶を取り出した。
「っこれが……」
「はい、こちらが解毒剤となります。
薬は一錠で大丈夫です。今、お水を用意しますね……」
「はい、ありがとうございます。」
コップに水を入れ錠剤を小皿に一粒置きそれらをミニトレーに乗せると
ゆりの元に運び椅子に座らせた。
「……これを飲めば、今までの記憶が思い出せるんですね?」
「はい、
飲んだ直後に効果が現れますので強い衝撃に見舞われるかと思います。」
「……わかりました、っ……」_ゴクン
ゆりは錠剤を口の中に入れそれを水を飲み込み体内に入れた。
飲んですぐはまだ薬の効果は表れなかったが……
「っ……_ドクンッ!……っ!!」
間も無くしてゆりは心臓が大きく跳ね上がる感覚に襲われ
激しい頭痛にも犯されていった……。
_ドクンッ!
「ぅぐ…!っう……!!」
(頭が、痛い……まるで脳みそをぐちゃぐちゃにされてるみたい……)
「っゆり様……」
頭を両手で抑えるゆり、悟はゆりの姿を
痛々しく目を細めながら見ながらも見守り続けた。
そして頭の痛みが和らいでくると
走馬灯のようにこれまでの記憶が蘇ってきた……。
「っ……っ!!」
『おい、もう大丈夫だぞ。』
『っ……ぁ、ありがとうございます!』
『別に、芸能人っていうのも大変だな……』
『ま、まぁ……(苦笑)
あ、あの……お名前、伺ってもいいですか……?』
『……三船憲吾。』
『三船、さん……?』
『……あぁ、海王3年のな……』
『っあなた……一体何者……?』
『僕はユウ、君のママに名付けられたんだよ。』
『っゆ、ゆう?』
『……いつか、後悔させてあげる。
俺よりあいつに惹かれていたこと……絶対、後悔させてやるから……』
『っ……』
『それまで、覚悟してろよ?
とことん攻めてやるから(笑)』
『っ……そろそろ、戻りましょうよ……』
最初に戻った記憶は初めて憲吾と出会った時のこと、
次にユウとの出会いやいつだかタイスケに言われた言葉を思い出した。
そして次から次へと懐かしい記憶が溢れてきた……。