第20章 ☆??ルート☆ Bad END
『お父さん……』
「……お母さん、行っちまったな。」
『うん、そうだね……3人で一緒に、見守ってくれてるんだよね?』
「……あぁ、」
太輔はゆりの後飾り祭壇に目を向けながら頷いた。
ゆりの四十九日もあと一週間ほどというところまで迫っている。
そしてその翌日の朝、太輔のスマホに涼介からの着信が入ってきた。
それは憲吾が事件に巻き込まれて死亡したという内容だった。
葬儀が行われる事がなり太輔も急遽参列する事になった。
その葬儀には海王の生徒だけでなく涼介と瑛二、そして剛太も参列した。
生憎と憲吾に血の繋がりがある遺族・親族は誰一人と居なかったが
その代わりに葛木兄弟に愛され吾郎ら生徒たちからは慕われていた事が
わかる葬儀だと太輔は一眼見て伝わってきた。
告別式での献花で太輔は白菊を添え……
「三船くん、最期までゆりを好きでいてくれてありがとな。
空の街で……娘や妻と仲良くしてやってくれ……」
献花を添え憲吾の魂が救われるよう祈りを捧げ席に戻った。
そして最後に霊柩車を見送り太輔はキラと共に自宅へ帰った。
太輔は後飾り祭壇の前に座ると今日の報告をした。
「ゆり、今三船くんの葬儀から帰ったよ。
2人共、こんな形になっちまったけどやっと一緒になれたんだな……。
それと、俺たちは大丈夫だ。こっちのことは何も気にするな。
空の街で、仲良く笑い合っててくれよ……?」
太輔は再びゆりと憲吾が一緒にいることを
心の底から願うのだった。
それから何日かが経ちゆりの四十九日も終え
太輔とキラはゆりの住んでいた寮に遺品整理にやって来ていた。
ちなみにネックレスは遺体確認をした時に既に受け取っており
後飾り祭壇の上に置いている。
2人はゆりの部屋に入り遺品整理をしていると
太輔は机の上にあるアクセサリースタンドに目が入った。
そこには桜色をした貝殻のネックレスがぶら下がっていた。
「……これ、なんだ?」