第20章 ☆??ルート☆ Bad END
「っ……」
北斗の思いがけない告白に憲吾は驚きを隠せなかった。
まさか数ヶ月前に引っ越して来た隣人が樹と同じCIAだとは
全く想像つかなかったのだから……。
そしてそれ以上に驚いたのはゆりが手引きをしていたという事だ。
憲吾はゆりに顔を向けた。
「っゆり……これ全部、お前が仕組んだのか……」
「……十番通りで会った時から、あの頃の憲吾はいなかった。
もしかしたら、取り返しのつかない事になるかもって思ったの……」
「っ……こんな事して、アイツが捕まるリスクが高いのになんで……」
「……これは一か八かの賭けだよ。
最悪、響さん達は警察から逃れられるかもしれない……けど憲吾には、
これ以上この世界には足を踏み入れて欲しくなかった……
だから、取り返しがつかなくなる前に櫻井さん達に
憲吾を保護してもらおうって思ったの……でも、ジュリさんのことは
想定外だったよ……まさか、初めから憲吾と繋がっていたなんて……」
「っ……」
「樹と三船くんが繋がっていることは、僕も以前から知っていたよ。
あくまで組織を潰す鍵だと言ってね……けどまさか、三船くんを
こんな事に利用するだなんて予想の斜め上をいったね……樹、
お前の本当の目的はゆりちゃんだったんだろ?」
「「っ!?」」
「……。」
北斗の発言、樹以外の人物は驚きを隠せず樹を見た。
そして樹はしばらくの間を開けると口を開いた。
「あっれぇ……北斗、オレいつそんな話お前にした?笑
そんな話した記憶全くねぇけど?」
「あぁ、お前からは聞いていない。
だが……"そら" には話していただろ?」
「そら、あぁ……うちの愛犬にはそんなことぼやいてたかもなぁ、
組織潰した暁には居場所を無くした2人と暮らそうなんてこと笑」
「……樹、お前の愛犬であった空は半年前に死んだろ。
今お前のとこに居るのは別の犬、いや……犬というよりは
犬型ロボットと言ってもいいだろ……そこに居る伊集院に頼んで
作ってもらったんだろ、永遠に死ぬことのないロボットをな……」
「……。」
「っは……?」
(あの犬が、ロボット?
どこからどう見てもただの犬にしか見えなかったが……)
憲吾はあの空が本当にロボットなのかと全く想像がつかなかった。