第20章 ☆??ルート☆ Bad END
「っお願いだから、元の優しい憲吾に戻ってよッ!!」_ギュッ…!
「っ…!」
ゆりは思わず立ち上がると憲吾に抱きついた。
「っお願い憲吾……これ以上響さんを傷つけないで……
響さんは、私にとって大切な人なの……だからもう……」
「ゆり……」
(お前って奴は……)
「っ……大切?コイツが……?」
「っ……憲吾にとって、凄く憎い相手かもしれない!
でも私にとってはもう失いたくない人なのッ!
私には、もうここしか居場所がないから……
今更憲吾やパパ達のところに戻るつもりはないから……
だからお願い、
もう私たちのことは放っておいてよ……」
「っ……」
ゆりの言葉に憲吾は思わず銃を下ろした。
「あれ?憲ちゃんどうしたの?
ゆりちゃんはまだ悪魔達に囚われてるんじゃない?
それに、憲ちゃんの目的は何だっけ?」
「っ!」
「っジュリさん!
そんなこと言わないでください!これは私の意思なんですッ!」
樹が憲吾を変えてしまった。
そう思うとゆりは樹へ少しずつ怒りが湧いてきたが
憲吾は再び銃口を響に向けゆりの頭を抱き寄せた。
「っ!」
「俺は……お前を絶対に許さないって決めてた。
殺してやりたいほどにな……」
「っ憲吾だめ!お願いだからッ!!」
「っ……」
響は何かを覚悟したかのようにギュッと唇を噛みしめた。
ゆりは響の元に行くため憲吾から離れようとしたが
憲吾はゆりを離そうとはしなかった。
「もう絶対、離さないって決めたんだ……二度と、
ゆりを離さない……。」
「っ憲吾……貴方の気持ちは嬉しいよ……でも、
今の私と貴方じゃ幸せになれない……もうあの頃の私は居ないんだよ?」
「俺はどんなお前でも受け入れられる……
お前の隣に居れるのは、俺だけなんだよ。」
「っ……」
再び涙を溢れさせるゆり、響はただ2人を見上げていた。
「……東郷、最後に言い残すことはあるか?」
「……さぁな、」
_パァンッ!