• テキストサイズ

藤ヶ谷パパの娘は人気アイドル!−Season2−

第20章 ☆??ルート☆ Bad END


「っ……響さん……」

「っ腕を少しやられただけだ……
これくらい、どうって事ねぇよ……」


響の額からは汗が流れておりゆりは手の甲で拭った。
そして顔だけを憲吾に向けた。


「っ憲吾……何でこんな酷い事を……」

「酷い?
コイツのほうが今まで散々してきた事だろ。」

「っ……」


憲吾は氷のような目で響を見下ろしていた。
その表情はゆりが知る憲吾の顔ではなかった。


「っ……憲吾こそ、こんな事していいの?
こんなの……憲吾だって犯罪に手を染めたのと同じなんだよ!?

憲吾、ボクシングの夢は……?
オリンピック出て、世界一の選手になるんでしょ!?」


「夢?
あぁ……確かに、俺の夢はそうだったな……
ゆりと、出会う前までは……」

「っ……?」

「ゆり、やっぱり薬のせいで忘れてんのか?
俺たち……約束しただろ?

一緒に世界一になるってよ……」


「っ!」


ゆりはいつだかの
憲吾と電話越しで話したことが頭の中で思い出された……。


『頑張れよ。
俺も、世界一になるつもりだから……』

『っ憲吾……うん!
一緒に世界一になろう!』


「っ憲吾……」

「俺の夢はお前と一緒に世界一になる事だった……けど、
そこにいるソイツのせいでその夢も台無しだ。
……ゆり、ソイツのせいでお前の夢も壊されたんだぞ?
そんな奴、許せねぇよな?」

「っ……確かに、そうかもしれない……でも!
響さんに着いて行ったあの日……私は全て捨てる覚悟を決めたの……
メンバーや、涼介さん達に迷惑が掛かるのは知ってた。
でも私には……」

「ソイツがそういう選択をさせたんだろ。」

「っ……それ、は……」


思わず憲吾の言葉に顔を俯かせるゆり。


「……おめぇら、そんな約束してたのか……」

「っ……よくそんなしゃあしゃあとした顔で言えたもんだな……
散々奪いやがったくせに……」

「……。」

「っ憲吾……響さんだけを責めないで……私だって、
我慢しようと思えば我慢できた……でも私は響さんを選んだ、
楽な道を選んだの……憲吾の気持ちも踏み躙って……」

「は?
ゆりは何も悪くねぇよ……悪いのは全部コイツなんだよ……」

「っ!?」


憲吾は再び銃口を響に向けた……。
/ 1590ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp