第20章 ☆??ルート☆ Bad END
「っ三船くん、何言って……」
太輔は突然意味深なことを言い始めた憲吾を怪訝そうな表情で見た。
「……実の親なのに、
本物と偽者の区別がつかなかったのかよ……」
「っ!?」
そして続く憲吾の発言に耳を疑う太輔、
目の前にいる憲吾は何を言っているのだと全く理解ができなかった。
何より、棺で眠っている自分の娘を "偽者" と言われ
今まで我慢してきた感情が一気に溢れ出してきた……。
太輔が言葉を発しようとした時、
後列のほうから憲吾の名前を呼ぶ声が聞こえた。
「憲吾ッ!!!」
「「「っ!?」」」
「っ葛木さん……?」
太輔らは声がする方へ体を向けた。
そして太輔の目に映ってきたのは鬼のような形相で
憲吾の元に歩いてくる圭吾の姿、
太輔はこれまで見たことのない圭吾の様子に驚きを隠せなかった……。
「……。」
斎場がざわめき太輔ら遺族が憲吾や圭吾を見る中憲吾は
ただ棺のゆりを見つめ独り言のように話していた。
「っゆり……お前は、生きてんだな?
なら……俺が絶対に見つけてやるから……助けてやるから……」
「憲吾ッ!!」_グイッ!
「っ…!っんだよ……!」
「っ!!」
_バチンッ!!
「ッ!」
「「「っ!?」」」
圭吾は憲吾の肩に掴みかかり力尽くで憲吾を自身のほうへ
振り向かせたかと思えば憲吾がその手を振り払おうとする前に圭吾は
手の甲で憲吾の左頬に向けて平手打ちをくらわした。
憲吾が持っていたユリはその拍子に床へ落ちた……。
「っ……っ!(睨)」
(圭吾……てめぇ……)
「……。」
憲吾はしばらく呆然と立ち尽くし突然変わった視界を見た後に
キッ!と勢いよく圭吾に鋭い視線をぶつけ斎場でのその異質な光景は
一瞬にして斎場全体を凍りつかせた……。
「……憲吾、お前今自分が何言ったかわかってんのか?
遺族を前にそんな言動と行動は許されない。
遺族の想いを踏み躙ってると言ってもいい。
今すぐ謝罪しなさい。」
「は……?」
圭吾の表情にいつもの穏やかさはなく
その様は双子の兄である勇吾さえも怖気させた。
だが憲吾はそれに怖気付くことも驚く様子もなく
ただ圭吾を睨み続けていた……。