第20章 ☆??ルート☆ Bad END
「っ!?」
「ちょいちょいちょい!いきなり暴力はだめ!!めっ!
空も怯えてる!」
空というのはチワワの名前だろうか、
『そら』と聞いて憲吾は真っ先に東郷宙を思い浮かべた。
「ってめぇ……睨」
(この手のやつはみんな癇に触る奴が多いな……)
憲吾は男を睨みつけたが
男は特に怯えるどころか気にしていない風だった。
「まずは自己紹介、しなきゃね?
まぁいきなり本名は無理だけどオレの名前は "ジュリ" 。
とりあえず三船憲吾くんの見張り役〜……ってところかな?」
「っ……見張りなら、
もっと気配消すなりすればいいじゃねぇか……なんで俺の前に……」
「まぁ……表向きは、_グイッ!……だからね?」
「っ……!?」
ジュリは掴んでいた憲吾の右手をグイッと引き寄せ耳元に顔を近づき
呟いてその力は華奢な腕からは想像がつかないほどだった……。
そしてジュリは誰かに聞かれたくないのか
囁くように憲吾の耳元で喋り出した。
「まぁオレ……いわゆる二重スパイってやつ?
だから完全な組織側の人間じゃないんだよねぇ……」
「っ……何を企んでやがる……
俺を油断させる為に、嘘ついてんのか?」
「ゆりちゃん死んじゃったのに今頃君を欺く必要ある?
君は偶然にも "ゆりちゃんの彼氏" だったから
ボスに目を付けられてただけ……。
まぁボスに念のため?しばらく見張ってろーって言われたから
愛犬の散歩がてら君と接触を試みた、ってところかな?」
「何が狙いだ。
東郷にとって俺はもう関係ない人間だろ……
現に北京以来、俺と東郷は直接接触はしていないからな……
ただ様子を見張るだけなら、わざわざ俺に接触する必要なんてないはず。
何が狙いなんだよてめぇは……」
憲吾は警戒を緩めないままジュリに問いかけた。
そしてジュリはしばらく間を開けると再び口を開いた。
「……組織に復讐、したいんだろ?」
「っ……!?」