第20章 ☆??ルート☆ Bad END
そして通夜が執り行われ焼香まで終えた参列者たち。
憲吾も焼香を済ませ手を合わせたが
やはりゆりが死んだと言う実感はなかった……。
喪主である太輔は百合の葬儀に続いて2回目の喪主を務めた。
太輔は一通りの流れを終えると参列者への喪主挨拶を始めた。
「本日はご多忙中にもかかわらず、
通夜にご弔問頂きまして誠にありがとうございました。
ここに生前賜りました、ご厚情に対し、厚くお礼申し上げます。
尚、明日の葬儀・告別式は午前10時より執り行わせて頂きますので、
何卒、よろしくお願い申し上げます。」
太輔も涼介同様に淡々と自分の役割をこなしていたが
少しやつれた表情をしていた……そしてこの場には
百合と叶輔も参列しており2人は裕太とキラに抱かれていた。
挨拶も終え、通夜振る舞いへと移った。
太輔をはじめとした遺族は参列者たちに挨拶をしていた。
そして憲吾らのところには太輔がやってきた。
「三船くん……それに内山くんも、
今日は学校もあったのにきてくれてありがとな……。
葛木さんも、お忙しい中お越し頂きありがとうございます。」
「いえ……僕らの力不足で本当に申し訳ないと思っております。
明日の葬儀には僕たちも参列させて頂きます。」
「ありがとうございます。
ゆりも……
皆さんをはじめとした沢山の方と過ごせて喜んでいると思います。
……三船くん、」
「っ……はい、」
「ゆりを好きになってくれて……
大切にしてくれて本当にありがとな?
ゆりの恋人が、君で良かったって心から思えるよ……」
「っ……」
太輔は小さく微笑んだが少し無理しているのか目元は若干赤かった。
泣くのを我慢していたのだろうかと憲吾は察した。
「っ……」
憲吾は太輔の言葉に何も返せず思わず俯いてしまった。
そして太輔は一礼をすると次の参列者の元に向かった。
「……おい憲吾、
一応彼女の親父なんだから挨拶くらいしろよ」_ベシッ
「……。」
軽く憲吾の頭を叩く勇吾だったが憲吾は何も反応しなかった。
「……。」
(あの人も、ゆりが死んだって思ってんのか……?)
「ったく、いつまでもしけたツラしてんじゃねぇよ……」
(辛いのは、おめぇだけじゃねぇんだよ……
親父はもちろん、ここにいる全員辛いんだよ……)