第5章 ☆Story23☆ 迫り来る恐怖
「班田っ!!!」
「っ!?」
その場にいた吾郎も驚いた様子で憲吾を見た。
「っなんで班田がゆりちゃんのスマホに……!!」
ゆりのスマホから着信をかけてきたのは
憲吾達の宿敵・班田だった……。
「っ班田……なんでお前が……
っゆりは……ゆりは、無事なんだろうな……」
憲吾はスマホを握っている右手、何も持っていない左手を握りしめた。
そして表情は戸惑いから怒りに変わっていった……。
『はっ……今のとこは、そうかな(嘲笑)』
「っ……一体、アイツに何をした!!」
『……廃倉庫……』
「は……?」
『港区の第一廃倉庫に来い……』
「っ……そこに、そこにゆりがいるんだな……」
『ふっ……(嘲笑)』_ブチッ
_ツーツーツー…
班田はそれだけ言うと一方的に通話を切った。
「っ……」
『っおい憲吾!一体何が……』
「ゆりが班田に拉致られた……場所は港区の第一廃倉庫だ……」
「っあいつ等々やらかしたのか……!
でも、まさかお前をおびき寄せる罠じゃ……」
「っそれでもアイツの身に危険が迫ってるのは事実だ……行ってくる、」
憲吾はスマホを持ったまま控室を出て行き走り出した。
「っおい憲吾!!」
吾郎も釣られるように憲吾の後を追った。
2人が廊下を走っていると……
「おい三船に内山!!!
お前らどこに行くんだ!あと1時間で試合だぞ!!」
「っ……」
「っわりぃ神部先生!!
今緊急事態なんだよ!!事情は後で説明すっから!!」
「っ、おい!!!」
2人は神部先生の静止を振り払い体育館の外に出た。
そしてバイクを止めている駐輪場に向かった。
「ここから港区まで、どれくらいかかる……」
「フルスピードで行けば、15分でいける。
急ぐぞ……」
「あぁ!」
二人はヘルメットを被り急いで新港区へバイクを走らせた。
「憲吾……第一倉庫には、班田たちがいるかもしれない。
けど、ゆりちゃんもいる保証は正直……」
「それでも、
行くしかねぇだろ……。」