第20章 ☆??ルート☆ Bad END
「っ!?何だって……」
(じゃあゆりちゃんは、一体誰の車で……)
「たださっき、外車と思われるスポーツカーは前を走って行きましたよ?
後ろから来たなと思ったらすぐ走って行きましたが……」
「っ!?(その車だ!!)
っすみません!その車のナンバーとか分かりませんか……?」
「いやぁ……さすがにナンバーは分かりませんなぁ……
車は何となくコルベットっぽくて色は黒でしたね……」
「っありがとうございます……すみませんでした、お仕事中に……」
(仕方ない……社長達に連絡して警察に捜索願出さないと……)
涼介は運転手にお礼を言うと自身の車に向かいながら
瑛二に電話をかけた。
「っ三船くん……
ゆりちゃんを連れて行けなくてごめんね……」
憲吾side
ゆりが響の車に乗り込んで数分、
瑛二の元に涼介から連絡が入ってきた。
「お、来たか……そろそろゆり達が来るな。」
「っはい……」
(やっと、ゆりと会える……)
憲吾はゆりとやっと話せると思ったが
その願いはあっさりと打ち消された……。
「もしもし涼介か?今から出るのか?」
『っ社長……申し訳ありません、
大変なことになってしまいました……』
「っ!?
ゆりは一体どうしたんだ!?」
「っ!?」
(っゆり……?一体何が……)
瑛二の耳に入ってくる涼介の声はやけに重く深刻そうだった。
すぐゆりに何かがあったのだと察した瑛二。
憲吾も驚きを隠せず思わず立ち上がった。
『っ撮影が終わって、事務所に行くことを伝えたんです。
三船くんが来ているからちゃんと話そうって……』
「っそれで、ゆりは……」
『何も話すことはないって言って……楽屋に走って行ったと思えば
帰る身支度をしていてそのまま楽屋から走り出してしまったんです。
俺も急いで追いかけたんですけど
あと一歩のところで見失ってしまって……』
「っ何だと!?
っゆりは、一人で外に出たと言うことか!?」
「っ!」
『っはい……すぐGPSを調べたんですけど水神地区で途切れて……
多分、電源を切ったんだと思います。俺に見つからないように……』
「っ何ということだ……」
瑛二は手のひらで顔を覆いそのまま俯かせた。