第5章 ☆Story23☆ 迫り来る恐怖
涼介side
俺は9時50分ごろカフェ付近についてその近くの駐車場で待機中。
「10時か……こっちに向かってくる頃かな……」
腕時計で時間を確認した涼介は車から出た。
「一応、店の中に行くか……」
涼介はゆりたちより一足早くカフェに入ったが、
ゆりと海斗がこのカフェに来ることはない。
そのことをまだ知らない涼介は適当にコーヒーを注文して
カウンター席に座って2人が来るのを待った。
あれから30分、
もう来ていてもおかしくない時間になったが
2人がカフェに現れることはなかった。
「っ……おかしい……いくら土日だからってここまで遅いこと……
いや、財前寺くんの方が遅れているとか?
いや……それはないよな……」
彼は時間に関してはきっちりとしているタイプだ。
遅れるなんてこと、早々ない……
「っ……念のため、ゆりちゃんに電話を……」
涼介は席を立ち人が少ない場所に移動してゆりに電話をかけた。
_プルルルルル‥プルルルルル…
「っ……出ない……なんで……!」
そして……
『ただいま、電話に出ることができません。』
ゆりが電話に出ることはなかった……。
「っ……くそ……!」
涼介はカフェを後にし外を出て辺りを見渡す。
「っやっぱり、どこにもいない……」
涼介は駐車場に向かいながら翔に電話をかけた。
そして翔はワンコールほどで出た。
「っ櫻井さん!!」
『山田くん……』
「っゆりちゃんが、ゆりちゃんが電話に出ないんです!
約束の時間になっても2人はカフェに来てないし……!」
また、百合ちゃんの時と同じことが起きてしまうのか……?
そんなこと、あってたまるかよ……!
『……山田くん、落ち着いてください。』
「これが落ち着いていられますか!!」
『財前寺海斗の動きは、事前に我々の方でも監視をしております。』
「ぇ……」
『例の仮面ティーチャーも、今現場に向かっているはずですよ……』
「っ場所は!
ゆりちゃんたちがいる場所はどこなんですか!?」
『……』