第20章 ☆??ルート☆ Bad END
「俺が最初に感じた違和感は、
吾郎の試合の途中ゆりが席を外した時です。
ゆりはお腹の調子が悪かったから
席を外したって言ってましたけどそうは思えなくて……
戻ってきた後も、どことなく浮かなかった……」
「確かにその日のゆりは、
東郷宙くんにキスしたりと予想外のこともあったからな……」
「っ……」
宙の名前が出た途端に表情を曇らす憲吾。
「……昨日ゆりと東郷くんに何があったのかも、聞いたのか?」
「っ……はい、ゆりが自分から、言いました……
抱かれた後に、自分も受け入れたって……」
「っそのことも、涼介から聞いた……俺も未だ信じられないんだ。
君とゆりは強い絆で結ばれている。
だからそう簡単に離れられないとな……」
「っけどゆりは、俺の存在が重荷になると言いました……
俺が、ゆりを苦しめていたのは事実なんだ……」
「っ三船くん……あまり自分を思い詰めるな。
ゆりは北京での一件以来、自分が汚れた存在だと
思っているそうだ。だが俺はそうは思わない。
君を好きな気持ちが揺らがなければ、
君との絆は確かなものなんだからな……」
「美澤社長……」
「……君は当然、
ゆりとこのまま終わらせるつもりはないんだろ?」
「っ……はい。
ゆりともう一度、話がしたいんです。
電話越しじゃなく直接会ってゆりの気持ちを知りたい……
きっとゆりは俺が連絡しても出てくれないと思います。
だから今日、その機会を貰いたくて来ました。」
「わかった。
我々も君たちを簡単に離れさせるわけにはいかないと思っているんだ。
涼介も言っていたが、
今のままで世界一のグループになるのは無理に等しい……」
少し眉間に眉を寄せながら言う瑛二、
憲吾は少し不思議そうに瑛二を見た……。
「っなぜ……ゆりは、
俺がいなくてもメンバーやファンがいれば十分と言っていました。
今は仕事に、集中したいって……」
「三船くん……君も北京でのライブは見ていただろ?」
「っはい……」
「ゆりは、
会場だけでなく世界中で中継を見ていた人たちの心を動かした。
なぜゆりが、そんな事を成し遂げられたと思う?」
「っ……」