第19章 ☆Story36☆ 分岐点
「これ以上……憲吾には関わらないでください。」
「……ようはアイツを守る為に別れることを選んだって事か、」
「っ……違います。私が別れたいと思ったからそうしただけです。
憲吾と居るのそろそろ辛くなってきましたし、
仕事にも影響出そうなので……」
「ふん、まあいい……お前がそこまで言うなら様子見だな、」
「っ……それじゃ、そろそろ学校に行かないと
遅刻しちゃいますから行きますね……」
ゆりは響の横を過ぎ去り再び通学路へ戻った。
そこから10分ほど歩くと学園の校門が見えてきた。
門を潜り校舎に入りゆりは教室に行く前に職員室に向かった。
_職員室
「失礼します、2年Aクラスの藤ヶ谷ゆりです。
荒木先生はいらっしゃいますか?」
「お、ゆりおはよう!
入って来ていいぞー!」
ゆりが職員室の扉の前で声をかけると
剛太が手を振り返した。ゆりは剛太の机まで歩いて行った。
「ゆり、朝からどうした?何か相談事か?」
「っまぁ……そんなところです。なので、また昼休み
図書室でお話しても大丈夫ですか?」
「あぁ、大丈夫だぞ!
でも昼飯は先に済ませておけよ?」
「そうですね……じゃあ、
お昼食べたらまたあの場所の前に行きますね。」
「りょーかいっ
んじゃ俺も昼飯食ったらすぐあの場所に行くからよろしくな。」
「はい、よろしくお願いします。
それじゃそろそろ教室に戻りますね。」
「おう!またHRでなー!」
剛太に用件を伝えゆりは教室に向かった。
こうして昼休みまで時間は過ぎ
ゆりはいつもの如く教室でお弁当を食べることにした。
千鶴や愛美が居る時は一緒に食べるが
今日は2人とも仕事がありこの場にはいない。
「いただきまーすっと……」
(まだ名前しか聞けてないけど、何かしらの手掛かりにはなるはず……
それに宙さんや理事長の周りも調べれば
何か重要な情報も出てくるかもしれないし……)
ゆりはいつもより早めに食べ進めお弁当を食べ終わると
席を立ち図書室にある隠し部屋に向かっていった。