第19章 ☆Story36☆ 分岐点
図書室に入り隠し部屋のある本棚を目指すゆり、
隠し部屋の前に辿り着くと剛太は既に来ていた。
「っ先生……お待たせしてすみません、私が言ったのに……」
「俺もさっき来たばっかだから全然へーき!
それじゃ、行こっか?特別授業ならぬ荒木先生のお悩み相談室!」
「ふふ……なんですかそれ笑」
そして2人は隠し部屋の中に入った。
ちなみに仮面ティーチャーは正体を知られてはいけないが
ゆりについては特別に許可をもらい他の生徒などには
バレないことを条件に翔から許しをもらっている。
「ゆりがここに来たいってことは、東郷のことか?」
「はい……捜査がどこまで進んでるかわかりませんが
少しでも手助けできればなと思って……」
「何かわかったのか?」
「はい、あの人の本名とその周りの人についてです。
詳しくはまだわからないですけど……あの人の下の名前は
東郷響って言います。」
「東郷、響……東郷が自ら名乗ったのか?」
「いえ……実は東郷さんに弟がいて……」
「っ弟?
もしかして、前に話した東郷兄弟のことか?」
「っはい……宙さんは直接響さんと関わりもあります。
最さんのほうはわかりません。でも、
宙さんと響さんは情報共有することが多いみたいで……」
「その東郷宙から聞いたってわけか?」
「はい、」
「っ東郷と関わりのある弟がそんなことわざわざ……てか、
何でゆりは東郷宙と接触してるんだ?
三船の試合の時に会ったただの高校生だったんだろ?
櫻井さんに弟兄弟のことも伝えた時表向きの情報は調べてもらったけど
山雀商業高校の生徒だって話しか……ゆりだって
わざわざ会いに行くことだってないし……」
「宙さん、ボクシングと同時に読者モデルをやってたんです。
ここ最近は専属モデルになってAnnieに所属しています。」
「っなるほど……一応芸能人ってことか、
ゆりのお母さんみたいに……」
「それで、接触することも何度かあって
宙さんが結構ちょっかいというか好意を持たれてて……その時に……」
「……それだけで、あっさりと身内の情報を明かしたのか?
しかもこっちが有利になるかもしれない情報を……
っゆり、まさかお前……」