第19章 ☆Story36☆ 分岐点
「兄貴の情報もっと欲しい?」
「っ!?」
響の突然の言葉に驚きを隠せないゆり、
ゆりはその場で思わず固まってしまった。
「っ……」
(少しでも情報があれば、荒木先生を通して
櫻井さんに情報を渡せる……そしたら組織を潰せる鍵が
見つかるかもしれない……でも、そんな上手い話……)
「もちろんタダじゃ無理だけどねー笑」
「っ……でしょうね、この事が響さんにバレれば
私だけじゃなく宙さんにも危害がいく……
情報を教える代わりに、
貴方の言うことを聞けって事ですよね?宙さん……」
「ご名答ー♪
さすがゆりちゃん、わかってるねー♪」
「あの人の弟ですもん、何となく想像はつきますよ……」
「兄貴と一緒にしないでよー(苦笑)
だって兄貴はゆりちゃんに乱暴ばっかするでしょ?
でもオレはしないもん!
むしろ、代わりでもいいからオレの彼女になってよ!」
「っ……とか言って、
また今日みたいな事もするんじゃないんですか?」
(響さんだってドライブしかしないって言ったのに
結局車でする羽目になったし……)
「それは雰囲気による!」
「っ……でも、そんなことして大丈夫なんですか……
私や憲吾は常に見張りがついてます。響さんだって、
いつどこで見てるかわからないし……もしバレたら……」
「だいじょーぶ!そこはオレに任せてといて♪
ねぇ、LINE交換しようよ。さすがの兄貴も
スマホの中身まではハッキングしない限りは見ないだろうし。」
「っ……わかりました。」
ゆりはポケットからスマホを取り出しLINEを開いた。
「あ、オレの条件呑んでくるの?」
「……お互い利害一致ということで、よろしくお願いします。」
「りょーかい♪」
2人はLINEを交換しゆりは再度スマホをポケットにしまった。
「……宙さんは、お兄さんが捕まってもいいって思ってるんですか?」
「んー……どうだろ!
まぁやばーい組織のトップやってるんだから
極力関わりたくはないよねぇ……」
「だから、条件をつけてお兄さんの情報渡すってことですか?」
「それもあるけど……一番はやっぱりゆりちゃんだよ。
ゆりちゃんと少しでも一緒に居たいしねー」
「っ……」