第5章 ☆Story23☆ 迫り来る恐怖
ゆりside
10時になった頃、ゆりのスマホに一件の着信が入った。
「あ、財前寺さんからだ……_ピッ
もしもしゆりです。」
【あ、ゆりさんですか?
今寮の前に着きました。】
「了解です!それじゃ、今から行きますね。」
【はい、お待ちしてます。】
電話を切り……
「じゃあユウ、このバッグの中に入って?」
『は〜い……えいっ!』_ぽすっ
ゆりがトートバッグを開くと
ユウはバッグめがけてジャンプしバッグの中に入った。
「じゃあ行くよ。」
『うん!』
「……。」
(ま……なにも、起きないよね……
涼介さんだって、迎えに来てくれるわけだし……)
「……あ、中島さん!」
外に出ると健人が車の外に出て待っていた。
「ゆりさん、お待ちしておりました。
どうぞ後ろの席にお座りください。」
「はい、ありがとうございます……財前時さん!」
健人がドアを開けると海斗の姿もあった。
「ゆりさん、おはようございます。
今日はお時間を作っていただきありがとうございます。
どうぞ、お座りください(微笑)」
「はい、失礼します。」
ゆりは会釈をして席についた。
「では、出発しますね。」_バタン
健人はドアを閉め運転席に戻り発進の準備が終わると早速車を走らせた。
「今日は、本当にありがとうございます。」
「いえいえ!
ところで、相談したいことっていうのは?」
「実は、父のことで少しだけ相談したいことがありましてね(苦笑)」
「お父さんのことで?」
「はい……ゆりさん、」
「はい?」
穏やかな表情から一変し険しい顔つきになる海斗。
ゆりは不思議そうに首を傾げた。
その瞬間……
「っ……ごめんなさい、」_モガッ!
「っ!?」