第19章 ☆Story36☆ 分岐点
ゆりは自分の部屋にスタスタと入ると
ユウとキラが入れないよう扉の鍵を閉めた。
キラは扉の前に来るなりドンドンと叩いた。
_ドンドンドン!
『っちょっとゆり!!開けなさいよ!!』
『っゆりちゃん!ちゃんと考え直しなよ!!』
「っ2人ともいい加減にしてよ!!
これは私が全部一人で決めたことなの!!邪魔しないでよッ!!」
『『っ……』』
ゆりが声を荒げると2人は黙った。
そしてキラとユウは部屋の前でゆりを待つことにした。
『っゆりちゃん……本当にどうしちゃったんだろ……』
『……でも、憲吾は絶対ゆりと別れるとかなんて言わない。
ゆりのことが本当に好きだから、それはゆりも同じ……』
『うん……ゆりちゃんは、宙くんに身体許したから
憲吾くんに相応しくないとかって言ってたけどそれだけが理由だとは
思えないよ……もっと、深い事情がある気がする……』
『組織側と関わりがないとは断言できないものねアイツ……』
『キラちゃんは、組織のことはほとんど覚えてないの?』
『えぇ……組織にいた頃の記憶はほとんどないわ。
ライブの記憶が残ってる程度よ。』
『っそっか……ゆりちゃんと憲吾くん、
どうなっちゃうんだろ……』
『今のゆりを、私たちはどうすることもできない……
今は憲吾を信じましょ……ま、
憲吾だって私たちと同様に納得なんてしないでしょうけど……』
部屋の前で佇むユウとキラ、そしてゆりは部屋の外が
静かになったことを確認すると憲吾にLINE電話をかけた。
憲吾は3コールほどで電話に出た。
『もしもし、ゆりか?』
「っ……うん、急に電話かけてごめんね!久しぶり……
ねぇ、今……大丈夫かな?」
『あぁ、さっきうちに戻ったところだから……どうした?』
「……大事な話があるの。」
『……大事な話?』
「うん……憲吾、私たち……
もう別れない?」