第19章 ☆Story36☆ 分岐点
「「っ……」」
「僕はその時、席を外していたので詳しい経緯はわかりません。
キスマイのみんなに聞いてわかった事ですから……」
「っ涼介……宙は一体何を……」
「キスマイからの話によれば、宙くんが後ろからゆりちゃんに
抱きついて藤ヶ谷くんと揉めそうになったんです。
それでゆりちゃんが2人を引き離すために一度その場を離れた
そうですがしばらく経ってもゆりちゃんは戻って来ませんでした。
それをおかしく思った僕と藤ヶ谷くんは2人を探すことにして
一番可能性の高い宙くんの楽屋に行ったんです。」
「っ……」
「2人は、何をしていたんだ?」
「宙くんとゆりちゃんは、その楽屋で性行為を行っていました。」
「「っ!?」」
「恐らく、宙くんがゆりちゃんを楽屋に連れ込んで
行ったものだと思います。」
「っ……つまりゆりは、
宙くんに強姦されていたという事なのか?」
「っそんな……!いくら何でも宙がそんなことを……!」
「強姦なのか、お互い同意の上なのか真相はわかりません。
でも宙くんは同意の上と言っていますしゆりちゃんも
宙くんを受け入れたと言っています……。」
「「っ……」」
瑛二と栄吉はすっかり涼介の説明に言葉を失ってしまった。
そんな中でも涼介は説明を続けた。
「片桐社長にはまだお伝えしていませんでしたが、
ゆりちゃんには付き合っている人がいます。2人は、
ゆりちゃんの両親みたいに強い絆で結ばれています。」
「っそんな人が、ゆりちゃんにもう……」
「っあぁ……俺もそれは重々知っている。
2人の絆は確かだと……だから驚いているんだ……」
「ゆりちゃんは、その彼と別れると言っています。
今日にでもその趣旨を伝えると……」
「っなぜだ!
ついこないだまであんなに……!」
「っ僕だってわかりません!
でもゆりちゃんはもう誰も好きにならないと……少なくとも、
目標である世界一になるまではと……」
「っ……」
「っ涼介……俺はまだお前の言葉に頭が追いつかない……
なぜゆりが彼と別れる必要があるんだ……!」
瑛二は頭を押さえながらその場に俯いた。