第19章 ☆Story36☆ 分岐点
「さっきテレビ局の撮影スケジュール見てみたんですけど、
なんかバラエティ番組の収録あったみたいで東郷くんもそれに出てます。
確か、同じこの階だったと思います。」
ヒロミツが楽屋の大体の場所を伝えると涼介はゆりと
宙が歩いて行った方向に歩いて行った。
「っ俺も行きます……!」
タイスケは涼介の後を追っていったがヒロミツは動かなかった。
ユウタは不思議そうに首を傾げてヒロミツを見た。
「ミツ、俺らも行かなくていいの?
ガヤはついて行っちゃったけど……」
「ゆりちゃんと東郷くんの間での問題だからな。
俺らは一応部外者だ。みんなでぞろぞろ行くのもどうかと思う……」
「っそう、だね……まぁ大事にはなってないだろうし
そこまで心配する必要ないか……何か問題があれば山田さんが
怒るなりなんなりするだろうし……」
「そう言うこった……俺らはとりあえず楽屋に戻るぞ。
ここで6人突っ立ってるのも邪魔になるからな……」
こうしてタイスケを除くメンバーは複雑な思いのまま楽屋に入っていた。
そして涼介とタイスケ、2人が宙の楽屋に着いた時信じられない光景が
入ってくるのはここから数分後のことであった……。
「っ【東郷 宙 様】……ここだ!」
「っこの中にゆりちゃんも?」
「可能性は高い……_コンコン
東郷宙くんはいますか?
僕、藤ヶ谷ゆりのマネージャーの山田です。
うちの藤ヶ谷がお邪魔してませんか?」
「な、なんか俺まで言われてるみたいなんっすけどそれ……汗」←
涼介は楽屋の扉をノックし要件を伝えた。
だが楽屋から返答はなかった……。
「っ誰もいない……?そんなはず……」
「っ!山田さん……
この楽屋は確か防音機能がついた楽屋です。
よくバンドの人たちが使ってて……」
「けど外からの声は届いてるはずだよ?
っまさか……それを利用してゆりちゃん連れ込んで……」
「っ!?そんな……!
なら早く助けないと!!だってあれから30分は経ってますよ!?」
「っ必ずしもそうとは限らない……もう一回ノックしてみよう……」
涼介は再度扉をノックした。
_コンコン
「ゆりちゃん、宙くん……中にいるのかい?
いるなら返事をしてくれないかな?」
「入ってきてもいいっすよ〜」
「「っ!?」」