第18章 ☆Story35☆ 揺れ動くココロ
「ってか……鍵まで閉めてるし……そんなに集中してたいの?」
「『当たり前です。世界のトップ目指すならこれくらい普通ですから。
早く自分の楽屋に帰ってください。』」
(いい加減しんど……いつまでオレにコイツの声やらす気だよ……)
だがタイスケは簡単に帰ってはくれなさそうだった。
東郷は思わずため息をついた。
「……ゆりちゃん、なんかさっきと雰囲気全然違くない?
暗いっていうか……とにかくなんか違う!」
「っ……」
(そう、今の声は私じゃないの!)
「……あ、もしかしてキラちゃん?
俺とゆりちゃんの仲を邪魔しようとしてるんでしょ!?」
「っ!?」
(何でそっちいくー!?←
てかキラちゃんは今日メンテの日だから移動する時に
別れたんだよなぁ……こんな時に限って居ないなんて……涙)
「っめんどくせーヤツだ……こうなったらヤケだな……っ
『本当に今は歌のことだけに集中したいんです!
だから今は一人にさせてください!!』」
「っ……w」←
(っやばい、思わず吹き出しちゃったよ笑)
「ってめぇ……」
吹き出すゆりを睨む東郷だがその表情は少し照れ臭そうだった。
だがその甲斐もあったのか……
「っごめん……ゆりちゃんたち、
北京から帰ってきてから凄い気合い入れてたもんね……
またライブのツアーも始まるみたいだし……
っんじゃ、また生放送の時にね!」
「『はい、すみません。また生放送で。』……はぁ……」
タイスケは楽屋から離れていき自分たちの楽屋へ帰っていった。
「っ!?」
(っ待って行かないでよ……!)
「やっと帰ったか……それにしてもお前、」
「っ……」
(まさかさっき吹き出したこと……)
「さっきはよくもこのオレを笑いやがったな……」
「っ……w」←
(いや、あれは笑っちゃうって……)
「また笑いやがったな……
そんなにオレにお仕置きされてぇのかよ……」
「っ!?」_ブンブンッ
(だから何でそうなるの!?)
ゆりは首を横に振った。
「せっかくこんな便利な道具があるわけだし、
三船の声に変えてやるっていうのも少しはおもしれぇかもな……」
「っ!?」
「この際だ、ここからは目隠しでやるっていうのも粋なもんだろ?」
_ブンブンッ「っ!」
(やだよそんなの……!)