第18章 ☆Story35☆ 揺れ動くココロ
「っ藤ヶ谷さん……」
タイスケに腕を引っ張れゆりはタイスケに包まれた。
そしてタイスケを見上げるゆり。
「お前いい加減にしろよ。
新人のモデルなんだかスポーツ選手なんだか知らねぇけど、
ゆりちゃんはお前に付き合うほど暇じゃねぇんだよ……」
タイスケは宙を睨むように言ったが宙がそれに動じることはなかった。
「まあちょっとプロ意識は欠けてたかなー(苦笑)
でもライバルは多いほうが張り合いあるしよろしくね藤ヶ谷さん♪」
「っざけんな……!
俺だってお前に構うほど暇じゃねぇんだよ……」
「……まぁ今日はいいや!
ゆりちゃんとはまた会う機会もあるだろうし
その時ゆっくり話をしようよ……ゆりちゃん。」
_ゾクッ‥「っ……」
(っ今の感じ、初めて東郷さんに感じた冷たさと同じ……
やっぱり、この人は東郷さんの弟……?)
宙は踵を翻しショップから出ていきスタッフ達の元に戻っていった。
ゆりはまだしばらく硬直しておりタイスケは心配そうに見た。
「っゆりちゃん大丈夫……?」
「っ!っはい、大丈夫です……」
「……山田さん、俺ゆりちゃんの代わりにレジ行ってくるんで
ゆりちゃんのことお願いします。」
「っわかった……お願いね?」
タイスケはゆりが持っていたカゴを持つとレジに持っていった。
「っ藤ヶ谷さん……!わざわざそんな……」
「今のゆりちゃん、
ちょっと心配だから山田さんのとこにいて。」
「っ……」
「今は藤ヶ谷くんの言う事聞きな?
ゆりちゃん、自分で気づいてないかもだけどまだ少し震えてる。」
「っ……」
それから数分で会計を終えたタイスケが戻ってきた。
「お待たせ。それじゃそろそろ行きましょうよ。
ロケはもう終わったわけですし……」
「そうだね……ゆりちゃん、大丈夫かい?」
「っもう大丈夫です(苦笑)
藤ヶ谷さん、ありがとうございます。後で代金支払います。」
「っ別に俺の奢りで全然いいよ!」
「えっとでも……三船さんと内山さんの分も入ってますけど……」
「う゛ ……っ男に二言はない!
俺の奢りでいいから!!」
「っ無理しなくても……」
「っいーの!!」