第18章 ☆Story35☆ 揺れ動くココロ
_現在
「……んなことがあったな。」
「あはははは……(苦笑)」
(小さい時とはいえごめんねパパー……汗)
「そんなお前が、今や国民アイドルだもんな……
あれからあっという間に感じるよ……」
「でも!私の本当の夢は世界一のアイドルになることだもん。
まだまだこれで満足はしてないからね!」
「あぁ、その意気で頑張れよ。
……にしても、もう少しで6時になるけどそろそろ行くか?」
「うーん……せっかくだから噴水見てから帰りたいなぁ……」
(それで丁度6時……東郷さん、またどこかで見てるのかな……)
ゆりは少し周りを見渡した。
「ゆり?周りを見渡してどうしたんだ?」
「っううん!何でもないよ。ちょっとはしゃぎ過ぎてるから
パパラッチとかファンの人いないかなーって思っただけだから。」
「見た感じ、誰もいる気配はねぇけど……」
「警戒するのに越したことはないでしょ?
だって……パパとママはここで写真撮られてるわけだし。」←
「今それを言うか。」←
「言う。」←
そして時刻は18:00。噴水がライトアップされながら吹き出した。
「やっぱりイルミ綺麗だなぁ……」
(ほんと……憲吾と見に行きたい……)
「そうだな……噴水が止まったら帰るからな?」
「うん!」
1分間の噴出時間が終わり、2人は車に戻ることにした。
駐車場に戻るとゆりは思わず目をギョッと見開いた。
「……っ!」
(あの車って……東郷さんの……)
「あれ?いつの間にか車が停まってる……
俺ら以外に誰かが居た感じしなかったんだけどな……」
「っほんとだね……さっき着いたとかかな?」
「じゃないか?
にしても外車のスポーツカーか……」
「っカップルかな?
こんな車乗る人が一人で来なそうだし……」
「かもな。でもタイミング良かったな。
もしかしたらお前のことバレる可能性もあったわけだし……」
「だね(苦笑)
それじゃ外も大分暗くなってきたし行こ?」
「あぁ、そうだな。」
「うん!」
(っやっぱり……いつでも見られているんだ……
荒木先生のことは、大丈夫だよね?
現になにも言って来ないしメールも来てないし……)
ゆりは不安を感じながらも太輔にはいつも通りに装い
会話を進めながら寮まで送ってもらうのだった。