第4章 ☆Story22☆ 空の街、神々の世界
百合side
あれから一夜が開け現世では大体朝の4時くらいかな……
「百合、もう行くのかい?」
祖母は少し寂しそうに言う。
「うん、残り2ヶ月……太輔との時間、大切にしたいから……
太輔と一緒に、ゆりたちを見守りたいの……」
「なら、早く行っておやり(微笑)」
「うん(微笑)」
こうして百合は再び現世に向かうため
神様のいる大広間に向かった。
「神様……」
『もう行くのだな。』
「はい。」
『お主に与えられた時間は2ヶ月だけだ。
2ヶ月経ったらお主は強制的にこちらに戻ってくることになる。』
「はい、それはもちろん承知の上です。
……お願いします。」
目を閉じ、神様はゆりの額に手をのせた。
『……いってまいれ。』
ゆりは光に包まれたまま姿を消し
再び霊だけとなり現世に降り立った。
そしてゆりの霊は再びぬいぐるみ・レンの中に宿された……。
_太輔宅
ぬいぐるみのレンは太輔の寝室におり机の上にある。
「……。」
早朝4時、太輔はまだ深い眠りついていた。
_ポワワワン…
霊の光はレンの中に入り……
『……。』
数秒ほどでその場から立ち上がる百合、
百合は太輔のほうに体を向けた。
『太輔……よいしょっと……』
再びぬいぐるみの姿となった百合は短い足をなんとか使い、
机の上から降り太輔の眠っているベッドに歩き出した。
『……ぬいぐるみだと、
一人で降りたり登ったりするの大変なんだよな……』
ゆりはジャンプで太輔の上に飛び乗ろうかと思ったが、
それだと起きる可能性があるので百合は渋々シーツをよじ登った。
『ふぅ……』
なんとかベッドに上がった百合は
横向きで寝ている太輔の隣に潜り込んだ。
「……。」
『ふふ……太輔、つい昨日まで机の上にいたぬいぐるみがこうして
自分の目の前にいるの見たらびっくりするだろうな♪
……太輔が起きてもしばらくはぬいぐるみのフリしてよ笑』←
百合はそんなことを思うのだった。