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藤ヶ谷パパの娘は人気アイドル!−Season2−

第18章 ☆Story35☆ 揺れ動くココロ


剛太と共に図書室にやってきたゆり、
お昼休みに入ったばかりと言うこともあり生徒はほとんどいなかった。
もうお馴染みとなったいつもの場所に移動した。


「っあの、先生……話って何でしょうか……」


ゆりは少しおどおどとしながら剛太を見上げて聞いた。


「……昨日の朝さ、」

「っ!?」
(昨日の朝って……東郷さんと会ってた時……何で先生が……)


剛太の言葉に思わず目を見開くゆり。
学校から星の丘公園はまあまあの距離があるのでゆりは
なぜ剛太がそこに居たのか思考が追いつかなかった。


「……やっぱり、ゆりだったんだな。
星の丘公園に居たのって……」

「っ荒木先生こそ、何で……」

「あー……俺のうちってあそこに近いんだよね。
まぁゆりのお父さんと同じ地区ではないけどさ。」

「っ……」
(じゃあ、あの時東郷さんが感じた
若い男の視線っていうのは先生のこと……?)

「俺もよく、星の丘公園には行くんだよね。
特に休みの日は軽く運動しにも行くし……昨日もそれで来ててさ、
そしたらゆりが……
知らない男の人と一緒にいたから気になってよ……」

「っ……」
(まさか……荒木先生が見てただなんて……
東郷さんのこと、何て言えば……)

「生徒のプライベートにズカズカ入るわけにはいかねぇけどさ、
あの人って誰?もしかして、彼氏とかだったりすんの?
歳はちょっと離れてそうだけど……」

「っえっとその…あの人は……」
(っどうしよ……ここは彼氏って答えた方がいい?
荒木先生ならわざわざ誰かに言い触らすことはしないだろうし……
でもあの人が彼氏って思われるのも嫌……)


ゆりは良い言い訳が思いつかず言葉を詰まらせたまま目を逸らした。


「……誰にも言えない程の悩みでもあるのか?」

「っ……」
(そう、誰にも言えない。言ったら憲吾が……もしかしたら他の
みんなにも危害がいくかもしれない……)

「図星かー……ゆりがそうやって黙る時って
大体悩んでる時だし……」

「っ先生……」
(この先生、何でこんなに勘が鋭いんだろう……
普段は言っちゃ悪いけど抜けてる部分多いし……
それほど、生徒を見てるってことなの……?)


ゆりはただ剛太を見上げることしかできなかった。
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