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藤ヶ谷パパの娘は人気アイドル!−Season2−

第17章 ☆Story34☆ 代替試合


出口を抜けようとすると警備室にいる警備員が
うつ伏せになりながら眠っている様子が目に入ってきた。


「っ……眠り薬か何かで眠らせたんですか……」

「あぁ、伊集院が開発した薬はよく効く。
目が覚める頃にはただ転た寝をした程度の認識になるからな。」

「っ……」


そして出口を抜け出ししばらく歩くとコインパーキングに着き
車の場所まで案内された。どうやら車は黒いスポーツカーのようだ。


「前に乗れ。」

「っはい……」


ゆりは東郷の言う通り助手席に乗り込んだ。


「っあの、どこまで行くんですか……?」

「安心しろ、都内からは出ねぇよ。」

「っ……」


そして東郷は車を発進させた。
ゆりはどこに連れて行かれるの不安に思いながらも
できるだけ普通でいることを心がけた。


「……おい、」

「っ何ですか……」

「三船のやつ、早速俺のことに感づいたらしいな……」

「っ……でも、憲吾には何も言ってませんから……」
(っそんなところまで聞かれてたの……?)


ゆりは背筋がゾワっとするのを感じた。


「みてぇだな。」

「っいつまでこんなこと、続けるつもりなんですか……」

「んなのお前がオレのモノになるまでに決まってるだろ。」

「っ私は絶対、貴方のことなんて好きになりませんから……」

「ふっ……相変わらず気は強いな。
まだオレを楽しませてくれそうだな……」

「っ……あの、
本当に宙さんや東郷理事長とは何も関係ないんですか?
昨日の指示だって、何であんな事……」

「別に、アイツがどう反応するか気になっただけさ。
……ま、お前が三船にまでにするのは想定外だっただがな。」

「っ……」


車を走らせ数十分、道路はまだ一般の車は少なくスムーズに進んでいた。
そして車はゆりにも馴染みある景色が目に入ってきた。


「ぁ、紫鶴大学の近く……」
(パパやママ達が暮らしている街……パパ、
今頃仕事に行く準備してる頃かな……)

「お前の親は、この地域に住んでんだろ。」

「っはい……私の、生まれた街でもありますから……」
(ママのこともあっさり分かったんだから、
それくらいの情報簡単に手に入っちゃうんだ……)


こうして車はしばらく街を回った。
そして車は少し小高い丘の登り始めた。


「っ!」
(このルート……)
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