第4章 ☆Story22☆ 空の街、神々の世界
_プルルルル..ピッ
『もしもしパパ?』
ゆりはすぐに出た。
「あ、あぁ……ゆりか?」
『うん、どうしたの?』
「っいや……もう明後日には出発だろ?
ちょっと気になって連絡してみたんだ……」
『そうなんだ!
出発する準備は大体終わったよ!』
「そっか……じゃあ海外の方は大丈夫そうだな。」
『うん!
だって韓国と中国が終わったら今度はヨーロッパだよ?
パリとかでもやるみたいだし……』
「ま、がんばれよ……応援してる……」
『ありがと!』
スマホ先のゆりはとても嬉しそうな声をあげた。
「……(微笑)」
(百合がいなくても、俺にはゆりがいる……
たとえ百合がここにいなくても、
また前みたいに空の上から見てくれてるんだよな、百合は……)
『ふふっ……パパ達にも、海外でのライブ見て欲しいなぁ……
社長とかもね、パパやみんなの家族とか招待したいって言ってたし!』
「そうか……まぁ、行けたら行くよ。
きっと、天国のママをお前を見守ってくれてるよ……」
『っパパ……うん、そうだね(微笑)
……あぁ〜あっ!今更こんなこと言うのもあれだけど、
生でママにライブ見てもらいたかったなぁ……
まぁ、当然無理だろうけど(苦笑)』
「っ……ぁ、あぁ……そうだな……」
ホントは、1回だけお前のライブを生で見てたんだぞ……?
本当はそう伝えたい……百合は、お前のママは
ちゃんと目の前でゆりのライブを見てたんだぞって……
『でも、私頑張るよ!
ここがゴールって決めないでまだまだ突き進むって勢いでがんばる!』
「あぁ、そうしろ……(微笑)」
空の街に戻った百合も、今頃喜んでんのかな……
百合が突然いなくなって、寂しいはずなのに……
百合がぬいぐるみとして現れた前の時に比べるとそうでもない。
むしろ、温かい気持ちになった……。
ちょっとだけ、ゆりの父親として成長できた気がして……