第17章 ☆Story34☆ 代替試合
「っゆり……?」
宙に歩み寄っていくゆりを不思議そうに見る憲吾、
お祝いの言葉を述べるだけならその位置でいいのではと思った。
それは憲吾だけでなくキラや涼介達も同じことを思っていた。
「っ宙さん……勝利おめでとうございます。
三船さんとの試合、とてもいい試合でした。
こんな試合を観せくれてありがとうございました。
私にもいい刺激になりました。」
「ゆりちゃんにそう言ってもらえてオレ超嬉しいわっ!」
「っ……」
ゆりは180cm近くある宙を見上げながら称賛を送り
宙は嬉しそうに頬を染めながら笑みを浮かべゆりを見た。
憲吾は少し複雑な思いを抱えながら2人を見ていた。
_ボソッ「妬いてんじゃねぇぞ憲吾w」
「っ別にそんなんじゃねぇよ……」
「笑笑」
(顔見ればバレバレだっつーのw)
そしてゆりは顔を俯かせ少しの間を作ると再び宙を見上げた。
宙はキョトンと首を傾げた。
「……。」
「ゆりちゃん?どしたの?」
「……宙さん、」
「ん?」
「試合中の宙さん、凄くカッコ良かったですよ?
これ……私からのご褒美です。
良かったら、受け取ってください……。」
_ちゅっ…
「っ……ええっ!?///」
「「『っ!?』」」
「っゆり……なんで……」
ゆりは背伸びをするとそのまま宙の頬にキスをした。
その行動にその場にいた全員が度肝を抜き言葉を失った。
憲吾もただその場に立ち尽くすしかなかった……。
唇を離し宙から少し距離と取るゆり、
全員が無言になる中先に口を開いたのはキラだった。
『っゆり!!今のどういう事!?
さっきはキスしないって言ってたじゃん!!』
「っそれは_ぎゅうっ!‥っちょ宙さん!?」
「っ!?」
ゆりがキラに説明する前に突然後ろから宙に抱きしめられた。
憲吾はギョッとしながら2人を見た。
「っさっきはしないって言ったのにズルいよ今の!」
「っ宙!ゆりさんから離れなさい!
いくら何でも失礼過ぎますよ!」
「だってゆりちゃんからほっぺにチュー貰ったんだもん!」
「っ離してください宙さん……!」
(憲吾の目の前でやめてよ……)