第4章 ☆Story22☆ 空の街、神々の世界
「……はい、
おじいちゃん達に、会って来ます……」
『そうしなさい。』
百合は扉をくぐり抜けると空の街と呼ばれる
雲のようなものでできた街並みが目の前に入って来た。
百合はもくもくとした雲の道を歩き
祖父達がいると思われる場所に向かった。
歩いて数分、百合は祖父母達がいる家についた。
「おじいちゃん、おばあちゃん、ただいま!」
「おお百合!
もうこっちに帰って来たのかい?」
祖母と思われる老人は満面の笑みで百合を迎えた。
「ううん、明日から2ヶ月……また現世に行くの。
2ヶ月経ったら、戻ってくるよ……」
「あら……随分早いものだねぇ……
お前さんが向こうに行ってまだ1年も経っておらんのに……」
「まぁ、しょうがないよ(苦笑)
太輔はゆりと違って子供じゃないわけだし……太輔も、
前よりはお父さんっぽくなったと思うから……」
「おぉゆり……もう役目とやらは思ったんかい?」
今度は祖父と思われる老人が百合の前に現れた。
「あ、おじいちゃん!久しぶり!!
まぁ、役目はもう少しで終わるってところかな……」
「百合、あと2ヶ月しか向こうにはおれんらしいで。」
「たった2ヶ月かい……せっかく、
旦那さんと時間を過ごしてたのに……」
「っしょうがないよ。
私だってすごく寂しいけど、ホントはこんなことできないし……
現世で、太輔と過ごしたり……
ゆりのライブを、生で見たりできるなんてこと……
本来死んだ私にはできないことだから……」
「……そうだね、
お前さんが現世に留まれるのは本当に奇跡じゃね……」
「うん、だから……神様には感謝しなきゃ……」
「……にしても、
なんで神様は百合をそんなにお気に召すのかね……」
「そりゃあじいさん、百合には神様さえも魅了する
力があるってことじゃないのかい?笑」
「っからかわないでよぉ……汗」
「「ホッホッホッ笑」」←
「もぉ……」
こうしてゆりはしばらくの間祖父母との団欒の楽しんだのだった。