第17章 ☆Story34☆ 代替試合
「宙……早く戻りなさい。
っ皆さん、弟がご迷惑をかけ大変申し訳ありません。」
最はゆり達に深々と頭を下げた。
「っ顔をあげてください東郷理事長……確かに宙くんの発言は
衝撃的でしたがゆりもああ言っている。
そのくらいであれば私も咎めはしません。」
「っお気遣い感謝致します。
後ほど弟にはキツく注意しておきますので……。」
「っ……_ピコーン…っ?」
(LINE……?)
全員が宙や最に視線を取られている中
ゆりのスマホに何やら通知が届いた。
ポケットから取り出し確認してみれば何やら匿名でCメールが届いていた。
通知画面には冒頭のメッセージが記されていた。
「っ……」
(【東郷宙の言う通りにしろ。】って……まさか東郷さん、
まだアリーナのどこかに……?)
匿名ではあるがメールの送り主は大体見当がついた。
ゆりはメールを開き残りのメッセージを確認。
【東郷宙の言う通りにしろ。
もし東郷宙が三船憲吾に勝てばそのまま頬にキスしてやれ。】
「っ……」
(っそんな……もし憲吾が負けちゃったら
あの人にキスしなきゃいけないの……?しかも憲吾の目の前で……)
ゆりは唇を噛み締めながらスマホをポケットにしまった。
そして審判から試合を開始すると言うアナウンスが流れ
ゆりはリングに目を向けギュッと両手を握り祈った。
「っ……」
(っお願い憲吾……勝って……!!)
リングに戻った宙、憲吾は眉を顰めながら宙を見た。
「んじゃ、ゆりちゃんのご褒美かけて頑張ろっか♪」
「っお前……一体何を企んでるんだ……」
「何にも企んでないよ笑
だってご褒美あった方が実力も発揮できるでしょ?
それに……お前がオレに勝てばいいだけの話じゃん?」
「っ……絶対に負けねぇ。」
(この勝負、絶対に負けるわけにはいかない……
絶対、勝ってみせる……)
「いいねぇその闘志に溢れた目!
本気のアンタに勝たなきゃ意味ないもんね……」
「っ……」
『では只今より、
赤コーナー・東郷宙VS青コーナー・三船憲吾の試合を開始します!』
ゴングが鳴り再び試合が始まった……。