第16章 ☆Story33☆ 喜びの再会
それから何日が過ぎ土曜日になった。
この日はゆり達の保護者及び家族達に向けた説明会が行われる日。
太輔はバッグに百合を忍ばせ警察庁にやって来ていた。
「兄さん、いよいよこの日が来たね……
ゆりからはあまり事件のこと聞けなかったけど
酷いことされてたんだよね……現にあんなに跡がついてたわけだし……」
「あぁ……ゆりたちも、ちゃんと事情聴取を受けたんだ。
俺らもちゃんと受け入れないとな……」
「だね……って、相変わらずレンも一緒なんだね笑」
「っまぁな……ゆりと同じで、
なんかできるだけ一緒にいないと落ち着かないというか……」
「レンを兄さんにあげて正解だったねー……あ、
櫻井さん達が入ってきた。そろそろ席につこっか。」
「だな。」
太輔は裕太達と同じテーブルに座り翔から説明されるのを待った。
他の人たちも席に着くと翔が事件の詳しい経緯を話し始めた。
ゆり達が攫われてから行われた組織側の非道な行為は家族に
大きいショックと憤りを覚えた。
「っゆりが凶悪指名手配犯に強姦されて、しかもその後は
組織の頭って……なんて非道な奴らなんだよ……!許せないよ!!」
裕太もその一人で怒りを露わにした。太輔や百合も
憤りを感じたがさらに衝撃を与えたのは次の翔の言葉だった。
「東郷はどうやらゆりちゃんへ目をつけており
一定の執着があるようです。なので、事件は完全に解決というところまでは
いっておらずまたあのような事件が起きるかもしれません。
……そして名前は言えませんが、ゆりちゃんの想い人へも
東郷は目をつけています。
この観点から、2人にはまだ危険が伴っています。」
「『っ!』」
((ゆりと三船/憲吾くんが……))
「っなんでゆりが目をつけられなきゃいけないんだよ!」
「っ裕太くん落ち着け……」
(ゆりと三船くんが危ない組織に……
ましてやそのトップに目をつけられただなんて……)
裕太を宥める太輔、翔は説明を続けた。
「ゆりちゃんの証言から、
組織の本拠地は日本ということがわかりました。」
「「『っ!?』」」