第4章 ☆Story22☆ 空の街、神々の世界
『神の眼を、そう簡単に欺けると思ったか。』
「っ……」
そうだ、目の前にいるのは私たちと同じ人間じゃない……
神という、誰も逆らえない存在なのだ。
声に出さなくても、
心の声や頭の中さえも全て見透かされてしまう存在……。
「っ……それが、駄目なんですか?
愛している人たちの傍に居たい、
そう願うのは駄目なんですか……!?」
『お主は、既に死んだ身だ。
人として死んだ身であるものが現世に関与することは、
本来あってはならぬこと。』
「っ……」
『我は、お主を少し甘やかし過ぎてしまったようだな。』
「っ!」
『これ以上、現世に関与するのは止めなさい。
人間たちの問題は、人間たちだけで解決させるのが良い。
お主の主人にも、娘にも……お主たちはもう必要ない。
お主たちの役目は、終わったのだ。』
「っそんな……!
叶輔まで、ゆりから取り上げるつもりですか!?」
『……。』
「ゆりにはまだ!っ……叶輔が必要です!!
せめて、せめて班田くんの件が解決するまで叶輔は!
叶輔だけは、取り上げないでください……あの子はまだ14歳なんです!
太輔や憲吾くんやみんながいるとはいえ、心細いはずです……
神様だって、それはお分かりになるでしょ!?
ゆりが心細いってこと、わかってるはずじゃないですか!!」
百合は神様の手を振り払い声を荒げた。
『……。』
「神様は、ゆりには叶輔が必要だって……
叶輔の霊を呼び出してぬいぐるみにまで宿した……なのになんで……!
ここで叶輔まで取りあげたら、意味ないじゃないですか!!」
『……わかった。
叶輔の霊は、この現世に留めよう。』
「っ本当ですか!?」
『ただし、』
「ぇ……」
ゆりは喜びの表情を見せたが、すぐ表情を曇らせた。
『お主は、戻ってきなさい。
本来、居るべき場所に……我の側に……』
「っ……そんな……」
『……自分も留められると、思ったか。』
「っ……」
『お主は先ほど、「叶輔"だけ"は、」と言ったな……』
「っ……」