第16章 ☆Story33☆ 喜びの再会
こうしてゆりは海外ツアーの疲れを1日ほどで癒し
翌日いよいよ警察庁にて事情聴取を受ける時間となった。
「警視庁じゃなくて警察庁なんですか?」
「櫻井さんは警察庁の偉い人だからね……
それに詳しい捜査はまだ一部の上層部にしか知らないみたいだしね。
……ゆりちゃん、事件のこと話してて辛かったら
無理しなくてもいいんだからね?」
「ありがとうございます涼介さん、
ちょっと緊張してますけど大丈夫です!」
「っそお?
……ま、これ終わったらお楽しみのお土産渡しの旅に出るから
それを楽しみに頑張って(苦笑)」
「ですね(苦笑)」
ちなみに今日は憲吾の家以外にも何人か渡しに行く予定である。
そして事情聴取は一人一人行われ
ゆりは翔から事情聴取を受けることになった。
「ではゆりちゃん、
話せる範囲でいいので事件の経緯について教えてください。」
「っはい……私が襲われた日は私が寝ている時で、
部屋の外が騒がしくて目が覚めたんです。
その時すごい頭がぼーっとしてて気づいたら知らない男の人がいて
そのままハンカチを当てられて意識を失くしました。
それからか多分……数時間の記憶はなくていつの間にか
あの施設の実験室にいたんです……」
「実験室……そこに、科学者と名乗る男が?」
「はい……伊集院っていう人です。
その人が、私たちのアンドロイドを作ったみたいです。
あの……伊集院って人も捕まってはいないんですか?」
「えぇ……捉えたのは全員下っ端の一員で
幹部の人間は誰一人いませんでした。けど、確かに東郷と名乗る
組織のトップは居たんですよね?」
「はい。憲吾と仮面ティーチャーが来てくれたあと、
いつの間にか部屋に居て……私に「また」って言ったり
憲吾のことを「覚えた」って言って……そのまま忍者みたいに
消えちゃったんです……」
「その時のことは仮面ティーチャーからも聞きました。
ゆりちゃん、我々はその東郷という男の詳細を知りません。
できる限り、教えてくれませんか?」
「っはい……」