第16章 ☆Story33☆ 喜びの再会
「っんな顔すんなよゆり……」
「っごめんねつい……(苦笑)
うん、こんな顔してちゃだめだよね!
今日は北京での最後のライブ……最後まで、笑顔でいないとね(微笑)」
「っゆり……」
ゆりは涙を堪えながら憲吾に笑顔を見せた。
憲吾は小さく微笑みゆりの頭を撫でる。
「それじゃ、またな……日本で待ってる。」
「うんっ……また、日本でね(微笑)」
「……それでは三船くん、そろそろ行きましょうか。」
「はい、お願いします。」
そして憲吾はゆりに別れを告げ翔らと共に部屋を後にした。
ゆりは優吾達と3人を見送った。
「……ゆりちゃん、寂しそうな顔してるけど大丈夫?」
ジェシーはゆりの顔を覗き込んだ。
「っ大丈夫です……ちょっと余韻に浸ってました(苦笑)
今からはDolceの藤ヶ谷ゆりに戻るので
引き続きよろしくお願いします!」
「「あぁ。/ウィっ!」」
気持ちを切り替えたゆりは部屋に戻り私服に着替えた。
そして朝食の時間にもなり涼介が部屋に迎えに来た。
「ゆりちゃん、そろそろご飯の時間だから行こっか。」
「はいっ……あ、パパ達も一緒にいるんだね!」
涼介の側には太輔と玉森家の3人も居た。
「あぁ。三船くんはもう行ったのか?」
「うん、7時くらいに櫻井さん達と帰って行ったよ。」
「っ何もされてないよね!?」←
「っ伯父さん……汗」
(伯父さんには憲吾のこと話さない方が良さそ……)
「……。」
(後で百合に聞こ……)←
こうしてゆりたちは朝食を取るため大広間に向かった。
ちなみに今日のスケジュールは午前中は自由時間、
お昼を食べたらリハーサルに入るようになっている。
ゆりは午前中の自由時間を家族と過ごす時間に費やした。
みんなに昨日は憲吾とどんな感じだったのかと質問責めされたが
頑なに言おうとはしなかった。
「だから普通に話していただけだってば(苦笑)」
「ホントー……?」
「ふーん……。」
(絶対何かはあっただろ……)←
ジト目でゆりを見る裕太、イマイチ信用していないようだ。
そして太輔は改めて百合に聞こうと思うのであった。