第16章 ☆Story33☆ 喜びの再会
「っゆり……」
ゆりは一度手を離すと上の服を脱ぎ始めた。
憲吾は慌ててゆりの腕を掴んだ。
「っおま!何してんだよ……!」
『っ!?』
(ゆりー!?貴女まだ中2でしょ!!
いくら私の子とはいえ早すぎるってば!!)
『っ!?』
(ちょっとゆりちゃん!!僕がいることお忘れ!?)
「っだって……私何度も好きじゃない人に犯されたんだよ……?
私の "初めて" だって、貴方に捧げたかった……」
「っ……」
目に涙を浮かべるゆり、憲吾は何も言えずただゆりを見た。
ゆりは憲吾の静止も構わず上の服を脱いだ。
上半身には幾つもののキスマークの跡があり憲吾は思わず息を呑んだ。
「っ……これ、全部東郷がやったのか……?」
「っ最初にやったのは、出雲……
その後、東郷さんに上書きされたの……上だけじゃない……
後ろも、脚も……身体中その跡がついてるの……誰にも、
見せられないくらい沢山……っ……」
「っ……」
(っアイツら……)
憲吾はゆりをここまで犯した出雲や東郷に腹が立った。
「っ憲吾……せめて、この跡だけでも上書きして……
身体だけ、まだあの人のモノになってるからせめて……」
「っゆり……」
(ゆりが俺以外の奴に触れているなんて嫌だ……でも、
俺までゆりを傷つけそうで怖い……)
東郷から自分に上書きしてしまいたいと言う気持ちは強かったが
自分の理性がどこまで持つか不安な憲吾は
ただ涙を流すゆりを見ることしかできなかった。
『っ……』
(ゆりちゃん……よっぽど辛い目に遭ったんだね……
そこまで追い詰められるほど……)
『っ……』
(ゆり……)
「っゆり……俺だってお前の中からアイツを消したい。
けど……俺だって男だ。
正直、最後まで理性が持つだなんて思ってない……」
「っ私は、憲吾にだったら何されてもいい……!
ちゃんと、私は憲吾だけのモノだって思いたいの……」
「っゆり……そこまでして……」
(俺は、どうすれば……)