第15章 ☆Story33☆ 決着
「……(微笑)」
(みんなの気持ちがひとつになった……これなら、
最高のライブができる……)
ゆりは涼介や瑛二がいる裏方に目を向けた。すると涼介から
グッドポーズが贈られし口パクで「がんばれ」と伝えられた。
「……(微笑)
(涼介さん……よし!ここまできたらもう後戻りはできない!)
みんな!最後までライブ盛り上げるよ!」
「『ええっ!!』」
ゆりの言葉でひとつになった12人。
会場の熱気もさらに上がってきた。
「まさか……こんなことになるとは想定外だ。
だが、ゆりらしいと言えばらしいな……」
「ですね社長……最初はあんなに険悪だったのに、
今じゃ本当の仲間のように……ゆりちゃんには
恐れ入りましたよ(苦笑)」
「そうだな(苦笑)」
「それにしても社長、さっき櫻井とは他に何話していたんですか?」
「あぁその事か……彼のことでちょっとな……」
「彼……?」
「そのことはまた改めて伝える。まあ大したことではない。
ただお前をはじめとした限りある人間にしか話せないことなんだ。」
「っわかりました……」
(彼って誰のことだろ……)
涼介は頭をはてなマークでいっぱいにしながらもステージを見守った。
ライブはどんどん盛り上がり終焉に向かった。
『っ……!』
(楽しい……!これが、オリジナルの私が見ている光景……
こんなに周りがキラキラ輝いて見える……)
「……(微笑)」
(前よりずっと楽しそう……でも、
このライブが終わったらこの子達は本当にどうなっちゃうんだろ……)
ゆりはライブを楽しみつつももう一人の自分がこれから
どうなってしまうのか不安な気持ちが押し寄せてきた。
だが今はライブを楽しむことに専念した。
そしてアンコールまで無事終えたゆりたち……
「『ありがとうございました!!!』」
「「「いええええええい!!!」」」_パチパチパチパチ!
「『……(微笑)』」