第15章 ☆Story33☆ 決着
そしてMiss Youを最後まで歌い上げたゆり。
憲吾は一筋の涙を頬に伝わせていた。
「っ皆さん!最後まで聴いてくれてありがとうございました!!
これが……私が歌いたかったMiss Youです!
本当にありがとうございました!!!」
_パチパチパチパチパチパチ!!!
会場中に響く拍手喝采、翔や潤も拍手をしゆりを見た。
憲吾は涙を拭い拍手をゆりに送った。
「っゆり……(微笑)」
(お前の気持ち、伝わったてきたよ……早く、ゆりに会いたい。
会って抱きしめて、伝えたい……誰よりも大切だって……)
「この勝負は、完全にゆりちゃんの勝利ですね、
僕にも、ゆりちゃんから貴方への強い気持ち、
伝わってきましたから(微笑)」
「……(微笑)」
そして間も無く投票に入った。憲吾達がいる場所は
会場全体が見渡せるためペンライトの色はすぐわかる。
「これで全てのパフォーマンス対決が終了しました!
ではここから最終投票です!
先攻のゆりちゃんが本物と思った方はピンクのペンライト、
後攻のゆりちゃんが本物と思った方は白のペンライトを
つけてください!」
投票が始まり、会場のペンライトはほぼ白で埋まった。
ピンクもちらほらといたが今までの対決と比べれば圧倒的な多さだった。
「っ凄い……会場全体が……」
「これは、初めてのことですよ。
ここまで会場が一体化するのは……」
さすがの翔も驚きを隠せない様子で会場を見た。
そして続いてのオンライン投票、こちらは日本からは安定の全員一致。
だがさらに驚いたことは他の国からの投票でもほとんどが
ゆりに投票を入れていたのだ。
「オンラインの投票結果ですが……こちらも日本は全員白!
他各国のほとんどが白に投票を入れています!」
「やはりゆりちゃんは、特別な輝きをお持ちのようですね。
そして、それをより輝かせているのは貴方です、三船くん(微笑)」
「っ俺が、ゆりを輝かせてる……?」
(っ俺なんかがゆりを……)
「えぇ、この曲は貴方がいなければ成り立ちません。
貴方がいなければ、
ゆりちゃんの歌もまた別のものになったでしょう……」
「っ……」
(ゆり……)