第15章 ☆Story33☆ 決着
そして投票結果を言い渡されたゆりたち、
ニセゆりは呆然とその場に立ち尽くしていた。
『っ嘘……そんな……』
「っやったねゆり!!
ほとんどの人がみんなゆりを選んだんだよ!?」
「っくるテンション高すぎ!髪ボサボサになるってば(苦笑)
でも、すごく嬉しい!!私たち、全員が本物って証明されたんだね!」
「「ええっ!!」」
そんな中、ゆり達は歓喜で舞い上がった。
特に来海はゆりの頭をわしゃわしゃと撫でていた。
お互いに喜び合うゆりたち、だがふとゆりの目には
ニセゆりの姿が目に入った。
『っ……』
「っ……みんな、」
(とても、悲しそうな目……)
「「……?」」
ゆりは優しくメンバーの手を退けニセゆりの方に歩み寄る。
来海は不思議そうにゆりの背中を見た。
「っゆり……?」
「……。」
『っ……何よ、私を嘲笑いにきた?
こんな、無様な負け方した私を……』
「違うよ……だって、貴女の歌もとても素敵だった……」
『っ嘘よ!!だってお客さんほぼ全員アンタに投票したんだもん!
私はみんなのアイドルのはずなのに!!なんで……!』
感情を露わにするニセゆりは目に涙を浮かばせた。
「っ……貴女にも、ちゃんと感情があるんだね?」
(悔しさで溢れた涙……まるで本物の人間のよう……)
『っ知らない……知らないよそんなの!!
だって、私は生まれた時からアイドルだった!
みんなが大好きな藤ヶ谷ゆりとして生まれた!!
なのに……なのに!!結局みんなはアンタの方が大好きだった……
オリジナルの、アンタが……』
「……確かに、貴女は私の偽物でアンドロイド。
私そっくりに作られたロボットでしかない……」
『っえぇ、
そうy「でも!貴女や、他のみんなにもちゃんと感情はあった!」っ…』
「今の貴女達は、私たちのコピーに過ぎない。
私たちに寄せて作られた偽物……でもそれは今だけ。」
『っ……?』
「貴女には、貴女達の人生は私たちとは違う……別の道を、
歩むことだってできるはずだよ?」
『っ!?
っそんなの…そんなの出来っこないよ!!
だって私はアイドルの藤ヶ谷ゆりしか知らない……』