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藤ヶ谷パパの娘は人気アイドル!−Season2−

第15章 ☆Story33☆ 決着


「そして最終戦は……
グループの絶対エース・藤ヶ谷ゆり!!
対決内容は歌唱対決!!最終戦に相応しい対決です!

そしてその課題曲となるのは
今やゆりちゃんの代表曲である『Miss You』。
特別な想いが込められたアレンジ楽曲です。
最後はまでお聞きください。」


進行役が説明している間、ピアノがセンターステージに移動された。
先攻はニセゆり、ステージに向かう前にゆりの方に体を向けた。


『この勝負に勝つのは、私だよ?
だって、みんな可愛い私のことが大好きなんだもん!
それに、みんなに愛を振り撒くのが私の役目……この曲で、
みんなを虜にしてあげるんだから♪』


「っ……この曲は、私が一番大切な人に向けてアレンジした曲なの。
オリジナルも、一番大切な人に向けられた曲だった……。
そりゃあ、アイドルならみんなに平等にするのが普通だと思うよ。
けど……それでもこの曲は『関係ないよそんなこと。』っ!?」

『アンタ、本当にアイドル?
アイドルなら、みんなに平等に愛を振り撒かなきゃ♪
誰かひとりだけを想ってるアイドルなんて、アイドルじゃないよ。
そんなアイドルに、ファンの人たちは付いてこない……。
だ・か・ら……♪



この勝負は、私の勝ちで決まってるのよ。』


「っ……」
(っまるで氷のように冷たい瞳……
この子が、心の底から笑えているとは思えない。
それに、貴女は本当にファンのことを想っているの……?
一方的な愛を、振り撒いているだけなんじゃ……)


ニセゆりはそのまま花道を堂々と歩き
センターステージに歩みを進めた。ゆりは複雑な思いで
その背中を見送りニセゆりはステージに到着。
ピアノに設置されているマイクを手に取り会場や中継先に笑顔を見せた。


『みんな!私の歌、聞いてねぇ♪
"みんなの為"に、"心" を込めて歌うよ!』


「っ……」
(みんなの為、か……私だって、
これまでみんなを少しでも喜ばせたくて歌って、踊ってきた……。
もちろん作詞してきた曲も、ファンの為を想って作った……でも、
この曲は……この曲だけは、
私がたった一人の大切な人に捧げた特別な曲……それだけは、
譲れないよ……誰であっても……)





そしてニセゆりはピアノの伴奏を始め歌い始めた……。
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