第15章 ☆Story33☆ 決着
「投票の結果、4回戦はこちらの宮瀬愛美が勝利いたしました!
続いての5回戦はDolceのリーダー・北山来海!
真のリーダーはどっちなのでしょうか!!」
『当然!アタシに決まってる!』
「それはどうかな〜?笑
アタシだって伊達に数年リーダーやってるわけじゃないんだから!
ふふ……勝負よ!北山来海!」
『ふん!臨むところよ!!』
「……なんか、ちょっと楽しそうだねくる(微笑)」
(私と同じで、情が出ちゃってるのかな……でも、
来海は私たちのリーダー、絶対やってくれる!)
「対決内容はダンスバトル!!
いよいよ来たかといったところです!!」
『……完全に実力勝負ね。負けても知らないよ?』
「その言葉、そのまま返すよ?覚悟してな!」_ビシッ!
『っ……』
来海はニセ来海に向かって指を差し宣戦、
これは最初のローラースケート対決と同じように実力勝負。
ゆり達にも緊張が走った。
「っ……」
(来海なら絶対大丈夫、イケるよ……!)
そして始まったダンスバトル、
勝負曲はDolceの楽曲でも屈指のダンスナンバーの曲だ。
先攻はニセ来海、少しも隙を見せない完璧なダンスを踊ってみせた。
「「っ……!!」」
((正確で力強いダンス……!ここまで完璧に……))
ゆり達は思わず固唾を飲み込んだ。
そして来海は物怖じしない様子でニセ来海を見ていた。
「いいじゃん!面白い……!!」
(この勝負、楽しめそうじゃん!!)
そしてフルで踊り終え会場からは今日イチかというくらいの
拍手喝采が聞こえてきた。ニセ来海が踊り終えいよいよ後攻、
来海の出番。来海が真ん中のステージに向かう途中、ニセ来海とすれ違う。
『この勝負、アタシの勝ちで決まりだね。』
「悔しいくらい、完璧な踊りだったよ……けど、
ただ完璧に踊るだけがダンスじゃないから。
アタシは踊るのが好きだから踊っている……みんなの心に響くダンス、
魅せてあげる。もちろん……アンタにもね。」
『っ!』
そしてセンターに立つ来海、音楽が流れ来海は感じたままに踊った。
振り付けは当然完璧だがニセ来海ほどのキレはなかった。
しかし激しい振り付けでも笑顔を絶やさない来海、
心の底からダンスを楽しんでいた……。
『っ……』
「っ!」
(アタシの想い!みんなに届け!!)