第15章 ☆Story33☆ 決着
『っ……』
ゆりの言葉に言葉を失うニセゆり。
他のメンバーも言葉を失いそれぞれ自分の本物と対峙した。
そして会場もどよめき始めた。
_ざわざわざわ…
『っ何バカなこと言ってるのよ……!
アタシたちが本物に決まってるじゃない!!
いくらそっくりさんだからって、
言っていい冗談と悪い冗談があるわよ!!』
ニセ来海はゆりに反論したが今度は来海が返す。
「冗談……?冗談を言ってるのはそっちでしょ?
アンタたち、自覚あるの?
ある組織作られたアンドロイドだって……」
『っ何の話よ!!
アタシたちがアンドロイド?そんなはずない!!』
「「「っ!?!?」」」
来海の言葉にさらにどよめく会場、そして来海は言葉を続けた。
「アンタたちがアタシたちの偽物でアンドロイドである証拠は、
揃ってるしここで見せることもできる……」
『『っ……!?』』
来海に続いてゆりが口を開いた。
「けど……私たちも、貴女たちもお客さんに
パフォーマンスを見せてるっていう点は変わらない。
貴女たちのパフォーマンスも、とても良かった。
でも所詮は私たちのパクリ、
私たちの方がもっとお客さんを喜ばせられる……。」
『っだから……!私が本物の藤ヶ谷ゆりなの!!
私を誰だと思ってるの!?アンタみたいな偽物に!!
私が劣るわけないでしょ!!図々しいのよ!!!』
「あっれ〜?
ねぇねぇ日本で中継を見てるゆりぴーファンのみんなー!!
ゆりぴーってこんなに人の悪口言う子だっけ〜?」
『っ!?』
来海は近くの中継カメラマンをステージに寄せ
ゆりたちに近づけた。
ニセゆりはギョッと目を見開いた。
「ゆりのファンなら、当然どっちが本物かわかるよね?
アタシたちは、
これから目の前にいる6人と勝負するからよーく見ててね!
どっちが本物だと思うか、みんなに投票してもらうからね!!」
_ざわざわざわ…
会場は今までにないくらい騒ぎ出した。
そして具体的に何をするか聞かされていない涼介たちも
驚きを隠せない様子でステージを見た。そんな中、
翔が機材を持った人物たちと共にやってきた。
「っ櫻井さんこれ……」
「ここからは、我々も加わらせて頂きます。」
「「っ……」」