第15章 ☆Story33☆ 決着
『っお前か……ゆりを、
ゆり達を攫ったボスというのは……』
「誰だか知らんが、そいつは俺のモノだ。
勝手に持っていかれては困るな……」
『っふざけるな……!
ゆりはお前のモノなんかじゃない!』
「っ憲吾……」_ギュッ…
「っ大丈夫だゆり……」
ゆりは咄嗟に憲吾の上着の裾をギュッと掴んだ。
そして憲吾はゆりを守るように東郷が映らないように匿った。
「ほぉ……お前が "憲吾" と言う男か……
何度もそいつが呼んでいた名前……」
「っゆりは絶対渡さない……守ってみせる……」
「ふっ、なるほど、な……」
「っ……」
東郷は余裕があるように軽く笑った。
憲吾はその余裕ある姿に息を呑みゆりは裾を強く握りしめた。
『っ三船……ゆりを絶対に渡すなよ……』
「っ当たり前だ……ここまできて、奪われてたまるかよ……」
「っ憲吾……」
「っ……」
(離さないって、さっき誓ったばかりなんだ……ここにきて、
奪われてたまるか……)
「ふっ……面白い……」_シュッ!
『っ!?速い……!』
「「っ…!?」」
東郷は忍者のように一瞬にして3人の前から消えたかと思えば
憲吾の目の前に立った。
「っ……!」
(っ何なんだコイツは……一瞬でここまで……コイツ、只者じゃ……)
「三船、憲吾……」_グイッ!
「っ!?」
東郷は憲吾の頬を片手で掴み上げた。
「っ憲吾!!」
『っ三船!!』
「ふっ……覚えたぞ、お前のこと……」
「っ……離せ!」_ブンッ!
「ニヤッ……ははッ」_シュッ
憲吾が手を振り払った瞬間、先程の位置まで戻り距離をとる東郷。
『っ……お前は、一体何者なんだ……』
「ふっ……"今回は" お前達に勝ちを譲ってやる……
だがオレは、一度狙った獲物は逃さない……」
『っ……2人共、油断するなよ……』
仮面ティーチャーは警戒を緩めず2人の前を守る。
2人は手を握り合い憲吾はゆりを抱きしめた。
「っ……」
_ギュッ「っ大丈夫だ、ゆり……」
「ふっ、見せつけてくれるな……また、な……ゆり、」_シュタッ!
「『っ!』」
東郷は部屋から一瞬にして出ていきあっという間に消えた……。